コロナでお金に困る人が家計から絞り出す方法 休眠預金のほか生命保険を担保に借りることも

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なお「休眠預金等活用法」という法律により、2019年1月以降に休眠預金になった預金は公募で選定されたNPO法人などの公益活動に活用されることになりましたが、それによって休眠状態にある個人の預金残高を引き出せなくなったわけではありません。また、外貨預金や財形貯蓄は長い間放置していても休眠預金にはなりません。

生命保険でお金を引き出せる

生命保険には、お金を貯蓄する機能が含まれているものがあります。その場合、解約することでお金を引き出せることがあります。

該当する可能性があるのは「養老保険」「終身保険」「積立保険」などの名称がついている保険です。「積み立て型」「貯蓄型」と呼ばれることもあり、もしも死亡したときなどに保険金がおりる機能に加えて、満期時や解約時には、払い込んだお金の一部、契約内容や状況によっては全額やそれ以上が戻ってくる仕組みを備えています。

少し仕組みが異なりますが、「個人年金保険」や「学資保険」も積み立て型の1つです。このような生命保険があれば、解約することでまとまったお金を捻出できるかもしれません。

解約して戻ってくるお金を「解約返戻金」「解約払戻金」などと言います。契約してからあまり期間が経っていないと、解約してもほとんど戻ってくるお金は見込めませんが、何年か経っていればいくらか戻ってくる可能性があります。

具体的に解約返戻金がいくらかは、契約するときに保険会社の担当者に作ってもらう保険の設計書や、保険証券などに書かれているのが一般的です。ただ、1年ごと、5年ごとなどおおまかなタイミングでの金額しかわからないこともあります。もし今日、解約したらいくらになるかを知りたいときには保険会社に問い合わせると教えてもらえます。契約者向けのウェブサービスがあれば、そこで確認できることもあります。

ただし注意しなければならないのは、保険を解約すると、当然ながらその後はいざというときの備えはなくなってしまうことです。さまざまな保険に入っていて、これを機に整理するならば解約しても大きな問題にならないケースはありますが、あったほうが安心な保険を解約するのは心許ないかもしれません。

一度解約して、後でまた入り直すことも一案ではありますが、契約時よりも年齢が上がっていれば同じ保険でも月々の保険料は高くなってしまいますし、病気やケガをしたことがあれば告知が必要で、状況によっては保険に入れないことがあります。

そこで、今入っている保険はそのまま確保したうえで、目先のお金を引き出す方法として「契約者貸付制度」があります。

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