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コロナだけでない中国「成長率目標なし」の内幕 7年越しの大改革は米国へのシグナルなのか

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実際、成長率目標の発表を見送ったことを含めて経済政策の面でサプライズは少ない。一方で、あまり目を引かないがチェックしておくべきテーマがある。経済改革への取り組みだ。

政府活動報告は8つのパートに分けられたが、その4つめが「改革によって市場主体の活力を引き出し、発展の新たなエネルギーを増強する」というものだった。

李首相は、その説明のなかで「生産要素の市場化配置改革を推進する」「省レベルの政府に建設用地についてもっと大きな自主権を与える。人材の流動を促進し、技術とデータの市場を育成し、各種の生産要素の潜在エネルギーを活性化させる」とコメントした。これは、7年ぶりに動き出した大改革の予兆かもしれない。

土地や労働力に市場原理を導入

前触れはあった。4月9日、中国共産党中央・国務院(内閣)は①土地、②労働力、③資本、④技術、⑤データの5分野について、これらの配分にさらに市場原理を導入する方針を発表した。社会主義市場経済を導入して久しい中国だが、市場原理が働かない分野も多い。たとえば土地は現在も公有が原則であり、農民戸籍と都市戸籍が分かれている現状では労働力の移動にも制約がある。

中国は豊富で低廉な労働力を原動力に高度成長を続けてきたが、すでに生産年齢人口は減少に転じた。コロナ禍の有無にかかわらず、成長率の低下は避けられない。そして国連の推計では2030年には総人口もピークアウトすると見られている。その先の中国はどういう道を歩むのか。

その指針を示すリポートが昨年9月に発表されていた。中国政府のシンクタンクである国務院発展研究中心(DRC)が世界銀行と共同でまとめた「イノベーティブ・チャイナ」だ。この報告書は、これまでの経済成長を支えてきた人口ボーナスなどの条件が失われるなかで、中国が成長を続けるには生産性の向上が決定的に重要だと指摘した。

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【カギになるのは生産性】

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