また、同じ日に開かれた党中央政治局会議の発表文からも、それまで使われていた「年間経済社会発展目標任務の達成に努める」という言葉が消えた。代わりに増えたのは貧困撲滅に関するアピールだ。李首相も全人代での演説で「農村貧困人口はすべて貧困から脱却させ、すべての貧困県からそのレッテルを外す」と述べている。「小康社会」の目標をGDPの数値から国民生活の改善へとシフトさせたのだ。
直前の4月14日に発表されたIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しでは、中国の2020年の成長率予想は1.2%とされた。さすがに、この状況で5%台の目標を出すリスクは取れなかっただろう。
新型コロナの流行後に人民代表大会が開かれた省では明確な成長目標ではなく、相対的な表現を採用した。5月9日に会議が始まった四川省では今年の成長率目標を「全国平均を2ポイント上回る」とし、同10日開幕の雲南省では「全国平均より高く」としている。まだ「成長率目標の廃止」という段階には至っていない様子がうかがえる。
コロナ対策に大規模な財政出動
政府活動報告で李首相は「現在、新型コロナの流行はまだ終わっておらず、発展の任務は非常に困難である」と述べた。全人代の会場でも、3000人に迫る代表団は全国で200人ほどしかいない共産党中央委員を含め、マスクをつけて出席。25人いる中央政治局員と、彼らと同格の指導層だけがマスクなしでひな壇の前列に並んだ。
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