トヨタの相次ぐ大量リコールは「悪」なのか 600万台リコールが映す、自動車業界の"現在地"
もっとも、国内のリコール件数が、ここに来て増えているわけではない。昨年度の国内リコール台数は過去最多だったが、件数自体は過去10年の平均より若干少ないくらいだ。
トヨタがとりわけ、リコールが多いわけでもない。昨年度の同社のリコールは10件、165万台。日産自動車は18件、174万台、ダイハツ工業は3件、172万台だ。過去5年間で見ても、年ごとにデコボコはあるものの、約3割の国内シェアを考えれば、その水準は決して高くない。海外でのリコール規模が大きくなるのは、販売台数が多いためだ。
技術力は落ちていないか
むろん、リコール自体は威張れる話ではない。
あるモータージャーナリストは「以前ならリコールしなかった問題でもリコールしているとしても、それをメーカーが言うのは“甘え”だ。何らかの不具合があることには間違いない。技術力が落ちているのではないか」と苦言を呈する。
トヨタの世界全体でのリコール台数が大きいことは事実。対応には莫大な費用がかかる。リコールを発表した4月9日から、同社の株価は続落。株式市場は事態を決して軽くは見ていない。
2012年から2年連続で販売台数世界一となったトヨタ。それだけに業界のトップランナーとして、大量リコールが相次ぐ現状を真摯に受け止め、率先して対応を進めていく必要がある。
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