中国・不動産販売「コロナ前」水準まで迫る背景 消費者心理が好転、ローン金利低下も追い風

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新型コロナの流行が落ち着くとともに、中国の消費者の住宅購入意欲は回復している(写真はイメージ)

「コロナ後」の中国の不動産市場が徐々に正常化しつつある。中国国家統計局が5月15日に発表したデータによれば、2020年1~4月に全国で販売された分譲マンションなどの不動産(床面積ベース)は累計約3億4000万平方メートル。新型コロナウイルス流行の影響で前年同期比19.3%減少したものの、1~3月の累計と比べると減少幅が7ポイント縮小した。

国家統計局は単月データを公表していないが、1~4月の累計から1~3月を引いて算出した4月単月の不動産販売面積は約1億2000万平方メートルと、前年同月比2.2%の減少にとどまった。一方、同様に算出した3月の不動産販売面積は前年同月比16.5%の減少だった。不動産市況が3月から4月にかけて大きく好転し、販売面積が「コロナ前」の水準にあと一歩のところまで急回復したことを示している。

4月の不動産開発投資額は7%のプラスに

市場調査会社の「諸葛找房」によれば、中国国内の新型コロナの流行が落ち着いたことで消費者の住宅購入意欲が戻りつつある。加えて、中国人民銀行(中央銀行)が4月20日に追加利下げに踏み切り、住宅ローン金利が下がったことも購入意欲を刺激している。

本記事は「財新」の提供記事です

販売だけでなく新規物件の開発投資も持ち直してきた。国家統計局のデータによれば、1~4月の全国の不動産開発投資額は前年比3.3%減の累計約3兆3100億元(約50兆円)。しかし前述の方法で算出した4月単月の開発投資額は約1兆1100億元(約16兆7600億円)と、前年同期比7%のプラスに転換した。

(財新記者:牛牧江曲)
※原文の配信は5月15日

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