奈良市中心部には近鉄とJRの2つの駅があるが、互いに離れたところにある。奈良公園など市内中心部の観光スポットへは近鉄奈良駅「きんなら」のほうが便利である。
けれども、青春18きっぷやフルムーンパスといったJRの割引きっぷでの旅行であれば、JRの奈良駅を使うであろう。ジャパン・レール・パスを持った外国人観光客も多く見かけた。近鉄奈良駅を「きんなら」、JRの奈良駅を「じぇいなら」と呼んで使い分けているようだ。
兵庫県の西宮市内を通る鉄道路線の代表となる駅は、JRの西宮駅、阪神の西宮駅、阪急の西宮北口駅と3つあり、それぞれ離れている。このうち、阪急の西宮北口駅は、特急と普通電車との緩急接続(乗り継ぎ)が行われているほか、今津線との乗り換えもあり、常時にぎわっている。
他社の駅と区別するため、「きたぐち」あるいは「にしきた」の愛称で親しまれている。古くからの住人で年齢の高い人は「きたぐち」と呼ぶ傾向があり、一方で高校生をはじめ若い人は「にしきた」を好む傾向があるという。
西宮北口駅の「北西口」には人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズのファンが聖地巡礼に訪れるという「にしきた公園」がある。一方、駅の南東には阪急西宮スタジアム跡地を再開発したショッピングセンター「阪急西宮ガーデンズ」がある。
京都の駅名はどう略す?
一言で関西と言っても幅広く、それぞれの自分が住んでいる鉄道会社沿線については詳しいけれど、テリトリーを離れると、外国みたいにわからなくなるということもある。
四条河原町や烏丸丸太町といった長めの地名が多い京都では、駅名も省略を好まないと聞く。とはいえ、最近改名した嵐電の「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」は、さすがの京都人にも長すぎるのではないか。
それぞれの駅の「あだ名」には利用者の愛着が込められている。ここで挙げた駅はほんの一部にすぎない。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が大阪、京都、兵庫でも解除されたが、まだまだ油断はできない状況だ。自由に旅行に出かけられる日が早く来ることを願いながら、路線図をたどって調べてみると面白いだろう。
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