大阪上本町のすぐ西側にあって、地下でつながっている大阪メトロの駅が谷町九丁目である。千日前線と谷町線が交差し、「たにきゅう」の愛称で親しまれている。
谷町線は北に向けて谷町六丁目、谷町四丁目と続き、それぞれ「たにろく」「たによん」と略されている。
この3駅で乗降人員がいちばん多いのは谷町四丁目。1駅北の天満橋までの大阪城の西側エリアは、大阪府庁や国の行政機関が建ち並ぶ官庁街となっている。
谷町線でさらに北上すると、南森町(みなみもりまち)駅に着く。「なんもり」の名で親しまれている。地下鉄の堺筋線と交差するほか、JR東西線の大阪天満宮駅ともつながっている。
JRの駅名からもわかるとおり、学問の神様、菅原道真公を祭る大阪天満宮が近くにあり、とくに日本三大祭といわれる夏の天神祭や、正月のえびす祭は参拝客でにぎわう。南森の森は「天神の森」に由来すると言われている。
交通の結節点「てんろく」
南森町から今度は堺筋線で北上すると2つ目の駅が天神橋筋六丁目、略して「てんろく」である。この区間は日本一長いとされる天神橋筋商店街と並行しているので、歩いてみるのも楽しい。谷町線とはこの駅で再び交差する。
戦前は「新京阪鉄道」(阪急京都線などの前身)のターミナルとして駅の規模も大きく、京都方面への優等列車の起点駅だった。現在は地下駅となり、かつての面影はないが、ターミナル駅時代からの愛称は健在である。
堺筋線の終点で、この先は阪急電鉄の路線となり相互直通運転を行っている。そのため、第三軌条集電が主流の大阪メトロで唯一の架線集電路線だ。
一方、谷町線は上記のほかに、太子橋今市、千林大宮、関目高殿、四天王寺前夕陽ヶ丘、駒川中野と「複合駅名」が多いので、駅名の由来や、地元の人はなんと呼んでいるかについて興味が尽きない。野江内代(のえうちんだい)、喜連瓜破(きれうりわり)といった難読駅名もある。
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