「空白県」奈良にJR直通特急のニーズはあるか 9年ぶり復活、近鉄特急とは競合でなく共存
「大和は国のまほろば たたなづく青垣 山ごもれる大和し 美し」――。奈良盆地を望む奈良県桜井市の井寺池のほとりに、川端康成の筆による歌碑が立つ。この歌は倭建命(やまとたけるのみこと)が故郷を思って詠んだとされる。「国のまほろば」とは国の中でいちばんよいところ、という意味だ。
臨時特急「まほろば」復活
JR西日本が8月、この「まほろば」を冠した臨時特急を11月から12月上旬にかけ、3連休と土日に1日1往復運行すると発表した。新大阪駅から奈良駅までをノンストップで走り、秋の行楽シーズンの観光需要を取り込む狙いだ。
奈良県内は、大阪難波・京都方面とを結ぶ近鉄の有料特急が頻繁に行き交う一方、沖縄を除く都道府県の中で唯一、新幹線を含めてJRの特急が通らない「特急空白県」だ。現在、大阪からは大和路線経由、京都からは奈良線経由の快速がいちばん上位の種別になっている。
JR西日本は2010年に同名の臨時特急を運転したことがあり、今回、9年ぶりに奈良県内を走るJRの特急が復活することになる。
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