シャープ、「鴻海流再建」にただよい始めた暗雲

乏しい研究資金、4年経っても育たぬ成長事業

鴻海精密工業の傘下に入ってから4年。シャープは新たな収益源づくりに苦しんでいる(編集部撮影)

シャープの完全復活に暗雲が漂っている。

シャープは5月8日、2020年3月期の連結業績について、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で売上高が前期比5%減の2兆2700億円、営業利益が同38%減の520億円と大幅な減収減益になりそうだと発表した。

従来の売上高2兆4500億円(前期比2%増)、営業利益1000億円(同18%増)の増収増益予想から一転、大幅な下方修正に沈んだ。

中核のディスプレイ事業をコロナが直撃

下方修正の主因は、主力の液晶パネルが不振だったことだ。2020年1~3月期にパネルの供給先であるスマートフォンや自動車など顧客の中国工場の稼働率が低下して、販売が大きく落ち込んだ。液晶テレビの製造・販売も影響を受けた。

3月にはマレーシアにあるテレビ工場の操業を一時停止。日本やアジアに向けテレビの輸出に遅れが出たうえ、中国でも都市封鎖などによってテレビ販売が落ち込んだ。

巣ごもり消費で一部の調理家電は堅調だが、液晶パネルと液晶テレビを合わせたディスプレイ事業は2019年3月期に売上高1兆3135億円をあげており、まさに売上高の過半を占めるシャープの中核事業だ。そこを新型コロナが襲った。

もっとも新型コロナの感染が拡大する前から、シャープの業績予想は過大とみられていた。すでに上期(2019年4~9月期)には景気減速が始まっていた中国を中心にテレビ販売が想定を下回り、シャープ全体の売上高が前期比1%減の1兆1206億円、営業利益は同21%減の369億円にとどまっていた。

それでもシャープは下期にアップルのスマートフォン「iPhone」向けの液晶パネルやカメラ部品が伸びると見込み、業績予想を据え置いていた。そこを新型コロナが直撃して、完全に当てが外れてしまった格好だ。

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