ゼンリン、世界初の「空の3次元マップ」を作る訳

地図データを利用し、新たな市場を開拓する

ゼンリンはドローン飛行に必要な「空の3次元地図」開発の実証実験を進めている(写真:ゼンリン)

住宅地図で有名なゼンリンが、空域情報を立体的に示す「空の3次元地図」作りに挑んでいる。

岩手県の中央部にある岩泉町の「道の駅いわいずみ」。2020年2月、地元特産のヨーグルトを載せた「ドローン」(小型無人機)が飛び立った。河川や山、田んぼの上を通り、約5キロメートル先に住む住民にヨーグルトを無事届けた。

過疎地域で進むドローン物流実験

これは岩手県が公募事業で行っている「いわてドローン物流実証実験」だ。岩泉町は、食料品などの買い物が困難な高齢者の割合が住民の40%を超える典型的な過疎・高齢化地域だ。2016年の台風10号の際は、災害で孤立する集落が出た。

実証実験ではこうした買い物困難者の支援や災害時の緊急対応を想定。岩手県はおよそ3年後までに、ドローンを活用した物資輸送の実用化を目指している。この岩手県の実証実験に楽天などと参加しているのがゼンリンだ。

ゼンリンはこの実証実験の運営・統括を担当。送電鉄塔など障害物の位置情報を踏まえた飛行ルートの設計と、ドローンが安全な領域を飛んでいるかどうかといった飛行記録の検証を実施している。

2017年以降、ゼンリンはKDDI、東京電力グループなどと提携し、ドローンによる配送実験などを繰り返してきた。岩手県での実証実験を担当したゼンリンの志岐愛介氏は、「今後は高齢者が使いやすい受発注システムや、他社と連携してどのようなビジネスモデルが成り立つかの検討を進める」と話す。ドローンによる物流がいよいよ本格化しそうだ。

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