世界の映画会社が今アイスランドに注目する訳 日本では「エール」「麒麟がくる」が撮影中断に
Netflixが早くもアイスランドで撮影を再開したという事実が報道されて以来、アイスランドの撮影誘致機関には、ハリウッドやヨーロッパの映画関係者、テレビ関係者から問い合わせが相次いでいるという。
折しも、アイスランドでは、今月4日に、ひとつの場所に集まっていい人数の上限が、20人から50人に拡大されたばかり。6月には、100人まで許されるようになるだろうと見込まれている。大勢のエキストラを必要とするような映画や超大作は、この人数でもまだ難しいかもしれないが、小規模な作品なら、工夫次第でなんとかなりそうである。
税金控除が35%になる期待も
アイスランド側も、特需を受け入れるつもり満々だ。アイスランドで撮影誘致にかかわる人々は現在、海外からのクルーのためにチャーター便を飛ばすことまで含め、さまざまな案を政府に提案しているとのこと。着陸後は特定のホテルですぐにPCR検査を実施。陰性であれば、街中から離れたロケ地に移動できる。撮影現場には医療担当者を常駐させ、1日の終わりには必ず検査を受けるなどの項目も盛り込まそうとのことだ。
また、アイスランドはすでに25%の税金控除優遇制度を設けているが、一時的に35%まで引き上げることも検討されているようである。これは、映画関係者にとってかなり大きなメリット。
近年、税金控除制度はハリウッドのスタジオやプロデューサーがロケ地を選ぶうえで、最も重視する要素のひとつになっている。ロサンゼルスに住む監督やプロデューサーが、わざわざ家族から離れてジョージア州やルイジアナ州などに行くはめになるのは、そのせいだ。あちこちの州や国が映画製作者を招くため税金控除制度で争っているが、35%というのは相当に寛大で、これだけでも飛びつくに値する。
地理的に離れていることからジョージア州やカナダほどの人気はなかったが、グリーンランドの南東にある人口36万人のアイスランドも、近年、メジャー映画のロケ地として認識されつつあった。
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