世界の映画会社が今アイスランドに注目する訳 日本では「エール」「麒麟がくる」が撮影中断に
とは言え、元来のロケ地のメッカであるジョージア州アトランタも、この状況にただ手をこまねいているだけではない。ジョージア州は、感染者減少が見られないにもかかわらず州知事が経済再開を決めて、物議をかもしだしたばかり。先月には、レストランオーナー50人あまりが「私たちは、まだ店を再オープンしません」という全面広告を地元の新聞に出したりもしたが、撮影スタジオは、6月には再オープンするつもりでいるようだ。
撮影スタジオ大手パインウッドのアトランタの最高経営責任者であるフランク・パターソンは、L.A. Timesに対し、新たに実施する安全対策のいくつかを語っている。「スタジオに入れる人を厳しく制限する」「毎回入り口で健康チェックをする」「ひとつのスタジオ内における人数を絞り込む」「事務所内の菌を削減するシステムを導入する」などだ。
まだまだ苦境続くハリウッド
ただ、ジョージア州全体で依然として感染がおさまらない場合、クルーやキャストは撮影期間中、特定のホテルなりに滞在し、外の世界と交わらずに隔離生活を送ることが必要となりそうである。
また、クルーの全体数が減らされることで、1人あたりの業務が増えるかもしれないし、1日の終わりにはすべての機材や部屋の殺菌処理が行われるかもしれず、結果的に撮影にかかる日数や隔離生活が長引くことも想定される。
それはつまり、費用がさらにかかるということ。コロナで体力の衰えたハリウッドのスタジオにとって、厳しい事実だ。撮影現場で感染者が出れば、再び撮影中断となって、さらに予算がかかるだろう。現在のところ、保険は伝染病を適用外としているのも、苦しい部分である。
アメリカの専門家は、秋の訪れとともに第2波が来る可能性もあると警告している。そうなると、また完全ロックダウンが言い渡されるかもしれない。その意味でも、島国のアイスランドは有利かと思われる。来年、あるいは再来年にわたって、アイスランドは世界のスクリーンとテレビ画面を席巻するのだろうか。
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