「失敗」は人事評価にどのくらい影響するのか 減給、降格、解雇にならない許容範囲を知る

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挑戦による失敗は、基本的には人事評価にマイナスの影響を与えることはありません。最初にこのように述べましたが、一概にそう言い切れないケースもあります。

それは、本音と建前が異なる場合があるからです。

どの会社でも経営者による年頭のあいさつなどでは「変革が必要だ」「改革しよう」といった前向きな話をするものです。今のままでいいんだ、という人はまずいないでしょう。

変革や改革をするためには、これまでにない挑戦が必要です。本気でそれを推進している企業であれば、挑戦による失敗がマイナスの評価を受けることはないでしょう。

しかし、さまざまな企業でこんな話をよく聞きます。

「挑戦しろと言われたのに、失敗したらすごく怒られた」「変革しろって言われたのに、それまでのやり方を変えたら評価が下がった」

そう、変革や改革というキーワードを使って話をしているだけで、実際にはそうではないケースがあるのです。

ですから「挑戦しろ」という会社の言葉を真に受けてしまうのは危険です。そういう場合には、挑戦による失敗が評価に重く響く場合があります。とても残念なことですが……。

どこまでの失敗なら許されるのか、事前に確認しておく

新しいアイデアを発案し、具現化しようとする創造的能力。現状をよりよく変えていく改善力。そして過去の否定もいとわず、新たな価値を生み、結果を出す変革力。

これらは、人事評価における重要なポイントでもあります。

事業をよりよくしていく挑戦は、積極的に行っていくべきでしょう。ただし、失敗した場合のリスクを想定しておくことが不可欠です。

「3000万円の投資をします。うまくいけば、それが1億になります。ヘタするとなくなりますが、損失は投資した3000万以内でおさえます」

新しい挑戦をする際には、このようにリスクや損失額を想定したプランを示して、どこまでの失敗なら許されるのか、事前に許容範囲を確認しましょう。

MBO(目標管理制度)を導入している会社では、通常の目標以外に「加点目標」を設けている場合があります。これは自主的に取り組んだことを加点するだけで、減点はしないという、社員の育成を重視した目標設定の方法です。こういう仕組みがあれば、社員も安心して新しい挑戦に取り組めます。

ですが、どの企業にもこのような制度があるわけではありません。勇気ある失敗を評価してくれる会社なのかどうか、それを見極めることも大切です。

仕事をしていれば、ミスは起こります。挑戦には、失敗がつきものです。

だからこそ、どこまでのミスだったら大丈夫なのか。失敗した場合には、どれだけの損失があるのか。

これらのポイントも押さえて、日々の仕事に取り組んでいきましょう。

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