「失敗」は人事評価にどのくらい影響するのか 減給、降格、解雇にならない許容範囲を知る
それだけではありません。出勤停止は、契約どおりの労務提供がなかったわけですから、たとえ1日でも人事評価に影響します。例えば、標準評価がAだったら、B以下の評価に下がってしまいます。
その結果、翌年の昇給が停止する、ということもありうるのです。
多くの企業では、評価A以上が2~3年間というのが昇格要件になっています。B以下の評価に下がると、2~3年間は昇格が止まってしまうことまであります。
当然、賞与も減額されます。
給料が上がらない、昇格できない、ボーナスも下がる。しかも2~3年間は、その影響が残り続ける。履歴にも残るため、その後のキャリアにも大きな影響を与えます。
重大な過失は人事評価に大きな影響を与える
失敗にもさまざまなレベルがありますが、「重篤な過失」と呼ばれるような重大なミスを犯すと、「出勤停止」あるいはそれ以上の重い処分が下されるかもしれません。
「降格」は、役職・職位などが引き下げられます。「諭旨退職」は、会社が一方的に解雇するのではなく、会社と従業員の両者が話し合い、合意のうえで退職処分を決めること。ただし、同意ができない場合は「諭旨解雇」となります。
「懲戒解雇」は、場合によっては解雇予告なしに(労働基準監督署の認定が必要)企業側が一方的に労働契約を解消する、最も重い処分です。
会社に対して故意に不利益を与えるような行為をした場合には、懲戒解雇、あるいは諭旨解雇という、極めて重い処分が下されると考えたほうがよいでしょう。
懲戒処分やその影響は、会社によって異なります。懲戒処分を発令せず内々に済ませ、でも評価に反映する、という会社もあります。
会社によって影響度合いは異なりますので、一例としてお伝えしましたが、いずれにしても重大な過失は人事評価に大きな影響を与えるということは知っておいてください。
失敗は誰にでもあることですが、場合によっては取り返しのつかない事態に発展してしまうことがあります。ミスが起こらない仕組みをつくり、つねにチェックを怠らないなど、細心の注意を払い、重大な事故につながらないように、未然に手を打つことが必要です。