急成長「インドネシア鉄道メーカー」の熱い現場

輸出車両で活況「INKA」、自動運転電車も製造

バングラデシュ向けは250両の大規模受注で、広軌(軌間1676mm)タイプ、メーターゲージ(軌間1m)タイプの2種が製造されている。

2016年と2017年2度の受注で計400両の生産となったバングラデシュ向け客車。生産もいよいよ佳境を迎える(筆者撮影)
ジャカルタ、LRT Jabodebek向けに31本が納入されるLRT車両。台車に初めてインサイドフレーム式を採用するなど、CAFの設計思想が多く取り込まれている(筆者撮影)

インドネシア国内向けは狭軌(軌間1067mm)、LRT Jabodebekは標準軌(軌間1435mm)のため、さまざまな軌間が混在しているが、もともといずれにも対応しており、工場内には複数の軌間でレールが敷設されている。

6両編成31本を受注したLRT Jabodebekの車両は自動運転で、保安要員として乗務員は添乗するものの、実際の運転は自動で行う。自動運転のレベルでいうとGoA(Grades of Automation)2.5となる。オールジャパンで挑んだMRTJ(ジャカルタ地下鉄)は日本の東京メトロ南北線などと同じGoA2であり、それ以上のものを製造していることになる。

主制御器をはじめとした駆動部分はスペインCAF製、自動運転などの信号システムはドイツ、シーメンス製だ。しかし、細かい部分を見ていくと、日本メーカーの部品も少なからず採用している。

2017年以降に急拡大

2012年に訪問したときは、国内向け及びマレーシア輸出用の客車がそれぞれ数十両に加え、ドイツ復興金融公庫からの助成を受けたジャカルタ首都圏用の通勤電車(KFW)40両が製造中であったが、現在ほど活発な生産は行われていなかった。

急激に生産両数が拡大したのは2017年以降で、バングラデシュ案件と同時期にKAIから老朽客車置き換え分として438両ものステンレス客車の大量受注があったのが大きい。一時は24時間3交代制で生産することもあったそうだ。単なる生産両数の拡大だけでなく、ボンバルディアとの共同受注によるスカルノハッタ国際空港アクセス鉄道の特急電車やパレンバン向けLRTの製造も手がけた。客車以外の分野でも力を付けてきているのである。

工場のいちばん奥、出場線近くにはジョグジャカルタ地区の空港アクセス用としてすでに活躍している電気式気動車の姿があった。

近年はメンテナンスまでパッケージとして受注している場合が多く、この時に見た車両も一旦工場に戻して定期メンテナンスをしているところだそうだ。ジャカルタやパレンバンなど遠方を走る車両の場合は、現地で対応しているという。

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