急成長「インドネシア鉄道メーカー」の熱い現場 輸出車両で活況「INKA」、自動運転電車も製造

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INKAの工場で出荷待ちのフィリピン向け通勤型気動車。2020年は4両編成4本を納入する(筆者撮影)

日本の約5倍の国土面積に3億人弱の人口を有する東南アジアの大国、インドネシア。これまでに自動車、航空機の国産化を果たしており、今後、工業国としての発展性も秘めている。豊富な労働力を背景に、2045年には日本のGDPを抜き、世界4位になるとの予測もあるほどだ。

今回、筆者が向かった先は、ジャワ東部の田舎町マディウン。ここに、インドネシアの鉄道車両メーカー、PT.Industri Kereta Api(INKA)がある。同社については4月12日付記事(「インドネシア唯一の鉄道メーカー『INKA』の実力」)で取り上げているが、今回は工場を訪問し、近年の取り組みについて取材する機会を得たため、改めて紹介したい。

輸出車両が埋め尽くす工場内

マディウンは鉄道利用だとジャカルタから最速でも10時間。空路でもスラバヤに飛んでから車や鉄道に乗り換える必要があり、5時間は要する地だ。とはいえ、せっかくなのでINKAが2019年に製造したステンレス客車を充当するジャカルタ・ガンビル発の夜行急行「ムティアラスラタン」号に乗り込み、一路マディウンを目指した。

INKAの工場。正門を入ると真新しい事務所棟が目に入る(筆者撮影)

筆者がINKAを訪問するのは2012年以来、7年ぶりだ。まず目を引いたのは、敷地入り口付近にそびえる4階建ての真新しい事務所棟である。以前訪れた際は車両メーカーというより鉄道の修理工場に入るようなイメージを抱いたが、この数年で本当に変わったという印象を受ける。

担当者の案内で内部へと向かう。工場内のレイアウトは以前とほとんど変わらなかったが、驚いたのは工場稼働率の高さだ。客車なら1日当たり最大3両を落成できるといい、製造現場はバングラデシュ及びフィリピン向けの輸出車両、さらにジャカルタ首都圏のLRT Jabodebek車両で埋め尽くされている。

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