安達祐実が「ドラマ界で絶大な支持集める」理由 童顔で老成「安達祐実最強説」が浮上している

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達観というよりは「老成」に近い。童顔で老成。若く見えることが礼賛される日本においては、安達祐実最強説が浮上。実際、コロナ禍で各局のドラマが軒並み放送延期の今、安達祐実主演のドラマは予定通り放送。

「捨ててよ、安達さん。」(テレ東)では、なぜか擬人化した家の中のモノたち(輪ゴムやレジ袋!)から「捨ててほしい」と所望される本人の役である。夢オチというかファンタジーだが、安達が自然体でめちゃカワイイ。久々の主演作で好機を逃さない。疫病退散のアマビエがついているのかな。

そんな安達に今後期待したいのは「オタク道の邁進」と「法を犯すこと」である。神々しい姿を見せたのは、月9「海月姫」(フジ・2018)での人形の服の職人役。オタク女子感がイマイチ弱かった女優陣の中で、1話ゲストの安達が「ホンモノ」感を醸し出した。もっと観たいと切に思った。

もうひとつは犯罪者の役。すでに「女囚セブン」(テレ朝・2017)では寂しがり屋なスリの役、「リーガルV」(テレ朝・2018)では男に貢ぐために横領を働いた元受刑者の役を演じた。ところが、ドラマ自体が微妙な出来で、安達の実力もイマイチ発揮できず。もっと濃いやつ、やらんと。

「好きな女優は安達祐実」と公言できる時代

実は今さらながら、Netflixの人気ドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」にハマっている。女子刑務所モノだが、日本版を作るならペンサタッキー役(歯のない狂信的なジャンキー女)は安達祐実しかいない。不遇の童顔が繰り出す狂気、ぜひ観てみたい。

トリッキーな役ばかり求めるのは私の悪い癖だ。素直に「女・安達祐実」を礼賛するなら、YouTubeのメイク動画を勧めたい。素のアダチなのか、素を演じるアダチなのか。演じているにしても好感度はかなり高い。「好きな女優は安達祐実」と男も女も胸を張って言える時代が来たようだ。

吉田 潮 コラムニスト・イラストレーター

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よしだ うしお / Ushio Yoshida

1972年生まれ。おひつじ座のB型。千葉県船橋市出身。法政大学法学部政治学科卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆。2010年4月より『週刊新潮』にて「TVふうーん録」の連載開始。2016年9月より東京新聞の放送芸能欄のコラム「風向計」の連載開始。テレビ「週刊フジテレビ批評」「Live News it!」(ともにフジテレビ)のコメンテーターもたまに務める。

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