安達祐実が「ドラマ界で絶大な支持集める」理由 童顔で老成「安達祐実最強説」が浮上している
さて。ここからは私の趣味。童顔なのに妙な落ち着きがある。小さな体から発するアニメ声には、したたかさも含む。酸いも甘いも噛み分けた、いぶし銀の雰囲気も漂う。決して社会や集団に迎合しない、「孤高のアダチ」や「達観のアダチ」という役のときが、好きだ。
主演映画『花宵道中』での脱ぎっぷりのよさから、一時期アダルトな役が増えた。「トクボウ 警察庁特殊防犯課」(日テレ系・2014)では、ハーバード卒の才女だが、閑職に追いやられたドSな警視正役だった。主役の伊原剛志を罵り、顎で使い、シモネタセリフも無表情でこなした。安達の決して笑わないドSっぷりは意外と心地よかったことを覚えている。
「フリンジマン」(テレ東・2017)では主役の愛人役。男(とその下半身)を手玉に取るやり手の愛人だった。そういえば「初めて恋をした日に読む話」(2019・TBS)でもキャバクラオーナーの役だ。生きざまはやさぐれているのにかわいげのある水商売人の枠が、実にしっくりハマっていた。
「濃密な人生経験を送ってきたので」
さらにしっくりきたのは「男の操」(NHKBSプレミアム・2017)。弱小芸能事務所の社長で、実は元アイドル。土下座も一気飲みもいとわず、芸能界のえげつない接待をこなし、売れない演歌歌手(浜野謙太)を叱咤激励で紅白出場まで導く。キャリアは年齢とほぼ同じ、生き馬の目を抜く芸能界を着実に生き抜いた安達ならではの、妙な説得力があった。
また、「警視庁・捜査一課長」のシーズン3(テレ朝・2018)ではレギュラーの刑事に(あだ名はもなか)。元柔道選手という国民的知名度を活かし、警視庁の広報でマスコットガールだったという設定。口癖は「濃密な人生経験を送ってきたので」。日本語として変なセリフではあるが、女優・安達祐実の人生とつい重ねてしまう。そういえば、「甘〜い」人との別離とか、「なぜ脱ぐ?実母」とか、いろいろあったよね……。
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