では、大学が把握していない数字や社会人や小中高校生を含む留学生数はどうなのでしょうか。
一般社団法人海外留学協議会(JAOS)が留学事業者42社を対象に行った調査によると、2018年の年間留学生数は8万0566人でした。こちらは、語学留学やワーキングホリデー、中高生や社会人のデータを含んだものになります。
企業の国際競争力が問われ、外国人労働者も年々増加している中で、全ての年代で英語力が求められていることが、語学留学が伸びている背景にあると考えられます。
JAOSでは、JASSOの統計と合わせて日本人の年間留学生数をおおよそ20万人と推定しており、大学生以外も留学人口の増加が見て取れます。
留学生増加の起爆剤「トビタテ!留学JAPAN」
留学生増加の要因として、それまで学生の大きな関心事といえば中高校生には「入試」、大学生には「就職」であったのが、新しい選択肢として「留学」というものが認知されてきたことは大きいです。世界の中でも生活水準が高く、スマホさえあれば不便さを感じさせない日本において、海外に行くことは非効率なことに感じるかもしれません。
そこを海外に行って留学経験を積むことが自分の将来のためにプラスになるというのを学生に(そして学校にも)浸透させた起爆剤があります。
官民協働の留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」です。
「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」を簡単に紹介すると、文部科学省初の官民協働プロジェクトによる支援として、2014年にスタートしました。その目標は、2020年までの7年間で約1万人の高校生、大学生を派遣留学生として送り出す計画です。
その特徴は「学生自ら留学計画を作成する+多様な実践活動を支援する」というものでした。
今までの累計で7801名(2019年9月時点)の学生がトビタテ生として参加しています。
トビタテ参加者の留学内容及び帰国後の行動を見ていると、ユニークで優秀な学生が多いことに驚かされました。彼らは社会人になっても、産業界、公務員のほか、社会起業家として活躍している女性や、地元で地域の発展のためにSGDsの理念のもと頑張っている人など多様な働き方を選択しているようです。
しかし、新型コロナの影響により、2020年の高校生コース第6期及び大学生等コース第13期の採用手続は中止になりました。1万人の達成が見えていたこと、留学の啓発の点から、学校関係者をはじめ社会に留学の良さを浸透させたという意味では、成功だったのではないでしょうか。
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