変わり果てた「ニューヨーク」物語る9つの数字 交通量は減ったが、スピード違反は増加した
ニューヨークがこれほどまでに「らしくない」姿になったことはなかった。人気(ひとけ)のない通り、空き店舗。ガラガラの地下鉄に乗っている、必要不可欠な仕事をする人たち。着用を義務付けられたマスク――。
さらに、こうした目に見える変化の奥にも、ライフスタイルにはさまざまな変化が生じている。そこには、この1カ月ほどの人々の苦闘やニーズが反映されている。
失業保険の申請数は14万超
失業者数は、もちろん上昇している。そして、その数は驚くほど大きい。ニューヨーク州の閉鎖が少なくとも5月15日まで延長されたことによって、多くの人が絶望的な時間を過ごしている。
しかし、わずかな希望が見えるデータもある。ニューヨーク市のボランティア登録者数は大幅に増加。大気汚染は改善され、保護された動物を預かりたいという希望者は急増している。
1. 2637%増:失業保険申請件数
ニューヨーク市では、3月22日からの1週間で、失業保険の申請が約14万4000件となった。前年同期は約5300件だったので、2637%の増加だ。しかも、この増加に州のシステムが対応しきれないため、まだ申請できていない人が大勢いる。
2. 7%減:マンハッタンのゴミ収集量
ニューヨーク市清掃局のデータによると、3月にマンハッタン住民から収集されたゴミの量は、過去5年間の3月の平均と比べると7%近く減少した。
この減少は、ニューヨーカーの中に移住できた人たちがいたことを反映している可能性が高い。ニューヨーク市の中で平均所得が最も高いグリニッジビレッジやアッパー・ウエストサイド、アッパー・イーストサイドなどの地区で減少率が高く、それぞれ11%、10%、8%の減少となっている。
ニューヨーク市の他の地域ではほとんど変化がないが、スタテン・アイランドではいつもより7%増加と、市内での最大の増加率を記録している。
3. 3000人:保護犬の里親希望者
ペットを預かって育てることへの関心が、市内で急激に高まっている。多くのニューヨーカーがふれあいを求め、また家でペットを世話できる時間が増えているからだ。