変わり果てた「ニューヨーク」物語る9つの数字 交通量は減ったが、スピード違反は増加した

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家庭内暴力(DV)の通報も15%近く減少した。しかし、この減少は、被害者が暴力を受けても通報できない状況を反映している可能性もある。

新型コロナウイルスにより、警察にも負担がかかっている。稼働できる警察官が減少している中で、新しい規則を施行しなければならないからだ。ニューヨーク市警察の6人に1人は、病気で休んでいるか隔離中である。

スピード違反は増えている

7. 60%減:最も混雑する橋やトンネルの交通量

3月の第1月曜日には、MTAが管理するニューヨーク市内の9つの橋やトンネル、たとえば、クイーンズ-ミッドタウン・トンネルやベラザノ-ナローズ・ブリッジなどを、85万台を超える車が通行した。その3週間後、この数字は35万1000台に低下した。

混雑が緩和された道路で、ドライバーは解放感を味わっているようだ。スピード違反を取り締まる市の自動カメラは、3月末の1日で、スピード違反切符を2万5000枚発行した。市のデータによると、その数は前月との比較で約2倍だ。

それでも、道路は以前よりも安全になっているようだ。警察のデータを分析している非営利の監視グループによると、交通事故は全体で60%近く減少し、3月最後の1週間に起こった衝突事故は1000件を少し上回る程度だった。

8. 288%増:ボランティア登録者数

毎年、多くのニューヨーカーがボランティア活動をしているが、3月だけでボランティアへの応募数は3倍近くになった。ボランティア・ネットワークのニューヨーク・ケアによると、昨年が約2400人だったのに対し、今年は約6500人だという。同ネットワークはニューヨーク市と組んで、コロナウイルス関連の救援活動のコーディネートを行っている。

コミュニティを支えようとして、大きく増えたボランティアの人たちは、市全体でニーズが大きい食料プログラムや高齢者の社会的なサポートなどに派遣されることが多い。ニューヨーク・ケアのボランティアが3月に配給した食事は13万食で、前月に比べ5万5000食増加した。

9. 25%減:ニューヨーク市の大気汚染

外出自粛により、皮肉なことに以前より安全に戸外で空気を吸えるようになっている。大気の質は大きく向上し、市全体で大気汚染が25%改善された。これは、州の環境モニターが粒状物質の水準を計測したものだ。粒状物質は喘息や肺がんに関係する汚染物質である。

最も大きな変化があったのはスタテン・アイランドで、35%もの劇的な減少となった。スタテン・アイランド地区では、交通量の多さや、ニューヨーク港のフェリーやはしけなどのため、大気の有害さが長年指摘されていた。

(執筆:Corina Knoll、Azi Paybarah、Jacob Meschke、Elaine Chen、翻訳:東方雅美)
(c) 2020 The New York Times News Services

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