変わり果てた「ニューヨーク」物語る9つの数字 交通量は減ったが、スピード違反は増加した
ニューヨーク市の約30の動物シェルターや救助団体と連携している、非営利団体のフォスタードッグスは、3月に保護犬預かりの希望書類を3000件以上受け取ったという。同団体のウェブサイトへのアクセスも、250%増加した。2019年は、1カ月に受け取る応募書類は、平均で約140件だった。「これまでにないほど関心が高まっている」と、同団体設立者のサラ・ブラスキーは言う。
ニューヨーク市の別の非営利団体、マディ・パウズ・レスキューは、2カ月前の約7倍の応募書類を受け取っているという。
地下鉄乗客数は激減
4. 42%増:テレビの音への苦情
近所の騒音、特にテレビの音への忍耐力は落ちている。NYCオープンデータ(ニューヨーク市の公開データ)によると、3月の苦情の件数は311件で、昨年に比べて42%増加した。大声での会話と音楽への苦情は、それぞれ市全体で12%増、30%増となった。
最もよく苦情が寄せられる、生活騒音という幅広いカテゴリーでは、ニューヨークのすべての地区で大幅に苦情が増加した。中でもスタテン・アイランドでの増加が最も大きく、33%増だった。ニューヨーカーが特に不満を感じているのがヘリコプターの音だ。市全体でのヘリコプターの騒音に対する苦情は3倍に増加している。
5. 90%減:地下鉄乗客数
ニューヨーク州都市交通局(MTA)は、過去3年間、崩壊しそうなシステムを改善しようと奮闘してきた。地下鉄の乗客数はかつてないほどまで増えており、昨年は、4月中旬の1週間の延べ乗客数が3400万人だった。
この数字が、今年の4月11日までの1週間には250万人にまで激減した。ニューヨークの5つの地区の中で、減少率が最大だったのはマンハッタンで、反対に最小だったのは、貧困率が最も高いブロンクスだ。
地下鉄とバス、2つのコミューターレール(通勤用電車)を管理しているMTAは、職員数千人が新型コロナウイルスに罹患したために乗務員の不足に苦しんでいる。いまのところ、MTAはバスの本数を減らし、一部の地下鉄路線を運休したりしている。すでに多くの負債を抱え、運賃収入に大きく依存しているニューヨーク市の交通システムは、厳しい未来に直面している。
6. 19.9%減:閉鎖された市内での犯罪率
3月はじめには、殺人や強盗などの重大な犯罪は増加傾向にあった。しかし、やがてニューヨーク市のすべての地区で、犯罪率は急減するようになった。
警察によると、3月12日から31日までで、殺人は前年同期に比べて25%減少した。レイプや重罪にあたる窃盗の訴えも減少した。