コニカミノルタ「医療通訳」に本腰を入れる事情 訪日外国人増で病院や自治体で高まるニーズ

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コニカミノルタの通訳サービスは医療機関や自治体などの現場で利用されている(写真:コニカミノルタ)

「今日はどのような目的で来ましたか(What brings you here today?)」

「I want to take medicine(薬を飲みたいです)」

タブレットの画面に日本語で話しかけると英訳が、英語で話しかけると和訳が、それぞれチャット形式で自動的に表示される。事務機器大手のコニカミノルタが開発し、主に医療機関向けに提供している通訳サービス「MELON」(メロン)が、新型コロナウイルス対策の最前線で注目されている。直近では成田空港や関西国際空港、長崎港などの検疫業務で導入された。

空港や港湾で利用が進む通訳サービス

MELONは2016年11月からサービスを開始。現在は英語、中国語、韓国語、スペイン語など最大19の外国語に対応している。慶應義塾大学や東京医科歯科大学などの大学病院を中心に、100を超える医療機関や保健所などに導入されている。

外国人に対応するために、全国の港湾や空港などの検疫所でも利用が進む。政府は4月29日時点で、87の国と地域からの外国人入国を原則として拒否しているが、入国を禁止していない国からの渡航者による新たなウイルスの流入を防ぐために検疫業務における通訳サービスが必要不可欠となっているからだ。

MELONの通訳方法は2つある。1つはタブレットやスマホに搭載した通訳アプリを使用し、翻訳エンジンを用いた「機械通訳」。もうひとつがモニターを介してオペレーターが通訳を行う「ビデオ通訳」だ。受付や会計のような定型業務や入院患者との日常的にコミュニケーションするような場面では機械通訳を使用し、医師の診察など専門的かつ詳細な通訳を必要とする場合ではビデオ通訳というような使い方がなされている。

MELONの使用料は月額3万円から。タブレット端末やデータ通信料の有無で価格が変動し、ボリュームゾーンは年100~300万円の契約だという。

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