コニカミノルタ「医療通訳」に本腰を入れる事情

訪日外国人増で病院や自治体で高まるニーズ

近年、訪日外国人客や外国人労働者が増加し、全国の医療機関では外国語対応が悩みの種になっていた。大規模病院では独自に医療通訳者を用意するケースもあるが、大半の医療機関では事前に用意している外国語の説明資料を配付することや、日本語のわかる外国人患者の親族などに通訳をお願いしているのが現状だ。

訪日外国人を受け入れている医療機関を対象にした厚生労働省の2016年調査によると、医療通訳の利用経験は1~2割程度にとどまる。一方で親族などの付き添い者による通訳は、医療用語を正確に訳すことができず、後から診断結果や治療方針の説明不足、支払いをめぐってトラブルになりやすい。

だが、MELONの機械通訳とビデオ通訳はいずれも会話内容が記録され、後々のトラブルにも対応しやすい。

金融機関や行政向け新サービスも

こうした医療向け通訳サービスはこれまでメディフォンや日本医療通訳サービスなど専業大手が強く、とくにメディフォンのサービスは約2000の医療機関に導入されている。こうした中、コニカミノルタは総務省所管の国立研究開発法人「情報通信研究機構」(NICT)の翻訳エンジンを用いてMELONを開発、事務機器営業の全国ネットワークなども活用して機動的に営業展開している。

医療機関向けのMELONに加え、コニカミノルタは2019年10月から、金融機関や行政機関向け通訳サービス「KOTOBAL」(コトバル)の提供も開始した。

外国人労働者の受入拡大を意図した改正入管法が2019年4月に施行され、外国人が銀行口座の開設や住民票の取得などで窓口を訪れる機会が増えている。しかし、マネーロンダリングや銀行口座の売買など不正利用の恐れがあることから、日本語での意思疎通が難しい人への口座開設を認めないケースも出ている。

金融庁は外国人の受け入れに関わる事業者らに対し、口座開設時の手続きに同伴することや必要書類の準備などの支援を呼びかけている。金融機関に対しても、外国人の口座開設を円滑に進めるよう指針を示している。

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