家にいすぎて疲れた人に教えたい切り替え方 禅僧が説くストレスを吹き飛ばす3つの対処法

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まず、何かイヤなことがあった時、そのときに自分の中で起こっている現象を「思考」「感情」「体の感覚」の3つに分けて分析してみます。(「3段階分析法」と私は呼んでいます)
まず、第1段階。「こういうことで悩んでいる」、「こういうことをしなくてはならないが、できない」といった具合に、自らの思考を観察します。

次に第2段階。それらの思考には多くの場合、感情が付随しています。そこでその感情を、「悲しみ」「焦り」「挫折感」「絶望感」「恥ずかしさ」といった短い単語で表現してみます。複数あっても結構です。

日々の自分を認めてあげる

そして、第3段階は体感です。体を上から下までスキャンするようにして、どこにどのような感覚があるかを観察します。先に紹介したボディスキャン瞑想を数秒でさっとやってみるイメージ。胸がキューッとする、頭がグッと締めつけられるなどです。

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こうして自分の中に生じている感覚を3段階で観察してから、最後に一度、深呼吸をしてリセットします。いったん背筋を軽くのばして姿勢を整え、息を思い切り吸って、ゆっくりと吐きながら、全部の感情やいま感じているネガティブなものを吐き出すように、「がんばったー」と心の中で、自分に声をかけてみます。周囲が気にならない場所なら、声に出して言ってみてもいいでしょう。

出来事を乗り越えようと奮闘している、日々の自分を認めてあげる。それがとても効果的なストレス管理法にもなるのです。多くの方が多かれ少なかれ、つらさ、苦しさを感じているときですが、ぜひ積極的なセルフケア習慣を取り入れて、心身ともに健やかに過ごしていただきたいと願っています。

川野 泰周 臨済宗建長寺派林香寺住職/精神科・心療内科医

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かわの たいしゅう / Taishu Kawano

精神科医・心療内科医/臨済宗建長寺派林香寺住職。精神保健指定医・日本精神神経学会認定精神科専門医・日本医師会認定産業医。一般社団法人日本モメンタム協会理事。
1980年横浜市生まれ。2005年慶應義塾大学医学部医学科卒業。臨床研修修了後、慶應義塾大学病院精神神経科、国立病院機構久里浜医療センターなどで精神科医として診療に従事。2014年末より横浜にある臨済宗建長寺派林香寺住職となる。
現在、寺務の傍ら都内及び横浜市内のクリニック等で精神科診療にあたっている。
 

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