ディズニー発ニコニコ経由で「作品」を売る ディズニーとニコニコが組むと、こうなった(1)
塚越 サポートも。お楽しみのネタ、コンテンツ。だから、ニコニコ動画でも楽しめるし、特殊バージョンみたいなものはムービーネックスを買ってもらったら楽しめる、というような組み方しようと。そうすれば、僕らはネタを持っているワケだから。
川上 サービスをつけていくことで、コピー防止にもなるし、お金を払うようになる。僕は「着うた」のころから言ってきている。
短期的な損得は“抜き”
――着うたサービスって、ずいぶん前から始まっていますよね。
川上 だいぶ前ですよ。携帯電話を機種変更するごとに、毎回買うのって高いから嫌じゃないですか。だから、そういう(サービスをつけていく)ことをやらないといけないと。
でも、賛成してくれたとしても、踏み出そうというところまでいく人は、コンテンツ業界にはいなかった。なかなか理解してもらえなくて。そうしたら、塚越さんから、初めて「むしろこういうことをやりたいと思っている」と言っていただいた。それでもう僕は「ぜひ協力させてください」と。
塚越 今の話を具体的な例で言うと、ムービーネックスの購入作品をニコニコで視聴する場合に、吹き替えと字幕は両方カバーされています。実は、ニコニコでムービーネックス購入作品を視聴するお客さんが増えているんです。川上さんが先ほどおっしゃったことが実現されて、消費者も支持している。
――ドワンゴにとって、今回の連携は何が利点ですか。
川上 長期的に考えていますが、まずは短期的な損得を抜きにやろうと。ニコニコ動画はコンテンツの販売もやっているんですが、そうじゃなくて、ユーザーが動画を見る体験をする場所、コミュニケーションする場所がニコニコだと僕は思っています。そこにコンテンツが集まればよくて、コンテンツそのものの販売に関わる必要がない。要するに、ニコニコで見てくれたら、うちはもうそれだけでいい。
――ディズニーのコンテンツは強いですから。
川上 はい、そうです。