テスラの株価が"コロナ後"も快走を続ける理由 ウィズコロナ・ポストコロナの米国企業(1)

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一方、フォード(F)ゼネラル・モーターズ(GM)はS&P500指数に先んじて下落が始まり、2月以降は下方への乖離が徐々に大きくなっている。3月中旬以降の水準は、両社とも2019年末の半分でしかない。

4月13日、フォードは2020年1~3月期の卸売りベースの世界販売台数が、前年同期比21%減になると発表した。これに先立つ4月初旬には、売上高の6割超を占めるアメリカの2020年1~3月期の販売台数が同12.5%減だったことが公表されたばかり。新型コロナ感染拡大を受け、外出制限や店舗の営業停止などの措置が取られたことが最大の要因だ。

販売台数でフォードを上回るゼネラル・モーターズも、2017年以降、販売台数の前年割れが続いている。2020年1~3月期の販売台数の実績は、グローバルベースでの数値は本稿執筆時点でまだ公表されていないが、アメリカでは前年同期比7%減、中国では同43%減という結果が報告されている。

同社は2017年に独オペルを仏PSAグループに売却し欧州から撤退しており、現在はアメリカと中国が2本柱となっている。そのため、グローバルベースでも大幅な減少となることは避けられない。

両社の株価の弱い動きは、こうした販売台数の減少を反映したものといえる。

GMを苦しめるアメリカ社会の変化

低迷の理由は何か。1つには、アメリカ市場での両社のシェア低下がある。

米調査会社オートデータの資料によると、2014年の同国内での販売シェアはGMが17.8%でトップ、フォードが15.0%で2位となっていた。これが2019年になると、順位こそ変わっていないものの、シェアはGMが16.9%、フォードが14.1%と1ポイント近く低下している。

アメリカでは、セダンを中心とした中型車が大きく減少する一方、大型のピックアップトラックなどは堅調で、企業としても採算の良い大型車にシフトしている。こうした大型車の価格は基本的に高額なため、特に地盤低下にあえぐ中間層の消費者が手を出しにくくなっている。

加えて、若い世代のクルマ離れはアメリカでも顕著だ。ウーバーやリフトなどの配車サービスが台頭してきた現状においては、かつてのようなステータスシンボルとしてはもちろん、移動の手段としても自動車を購入する理由が失われつつある。

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