米国企業の2020年1~3月期決算発表が始まった。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために渡航・移動・外出が制限され、工場の操業や小売店の営業もストップするなど、経済活動への影響が出始めた中での決算発表となる。
各企業の足元の状況はどの程度なのか、また企業は今後についてどのような見通しを持っているのか。主要企業、あるいは注目すべき実績が見られた企業を中心に、1週間分をまとめてダイジェストで報告したい。
このほど発売となった『米国会社四季報』2020年春夏版と併せて読むと、当該企業の方向感がより立体的に分析できるはずだ。
引当金の積み増しで大幅減益
商業銀行部門では、預金や住宅ローンは取扱高が減少した一方、カードローンやオートローンは取扱高の増加とマージンの拡大で収入が前年よりも増加した。
投資銀行部門は、金融資本市場が大きく揺れ動いた関係で、デリバティブを中心とした株式や債券など証券関連収益は大幅な増加となったが、銀行関連業務の手数料収入の減少で相殺された格好だ。
アセットマネジメント部門の収入はほぼ横ばいだった。ただ、新型コロナと原油価格下落の影響を大きく受けているエネルギーや不動産、消費者・小売業界向けを中心に準備金・引当金を積み増したことで、大幅な減益となった。
2020年通期の見通しは公表されていない。
アセットマネジメント部門では、取引数量が増えたのに加えて、資産管理・運用の手数料が増加。市場関連部門も取引拡大やトレーディング収益増が寄与した。
これに対して投資銀行部門は、手数料収入の増加はあったものの、マージンの低下などが響き、部門全体では売上高が減少。消費者向け部門も預金取扱高は増加したが、金利低下の影響で減収となった。この両部門は、準備金・引当金を積み増したことで、利益が大きく減少した。
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