JPモルガン「7割減益」に響くコロナ不況の足音 週刊・米国企業決算ダイジェスト(4/13〜19)

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プロクター・アンド・ギャンブル(PG)

衣料用洗剤「アリエール」や消臭剤「ファブリーズ」などのファブリック&ホームケア製品は需要拡大などを受け、売り上げが増加した。また、紙おむつ「パンパース」のほか、コロナ感染拡大で一時需要が急増したティッシュペーパー、トイレットペーパーなどを含むベビー・フェミニン&ファミリーケア製品の売り上げも大幅に増加した。

これら家庭用品の販売増加が、アジアを中心とした需要の急減で苦戦した化粧品の落ち込みを補い、全体でも増収増益となった。

2020年6月期の通期見通しについては、売上高の増加率4~5%、1株利益の増加率235~245%は維持する方針だ。

"弱り目に祟り目"の企業も…

インテューイティブ・サージカル(ISRG)
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手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」(写真:インテュイーティブ・サージカル)

手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」システムの出荷台数は237台(うちリース77台)で、前年同期の235台(同78台)とほぼ同水準となった。全世界の設置台数は5669台で、1年前と比べ10.8%増加している。

機器・アクセサリーの販売数量が拡大し、システムの設置とサービスも増え、両分野ともに大幅な増収となった。売り上げの増加に伴いコストも膨らんだが、それを吸収して増益を維持した格好となった。

同社は3月15日に米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で、アメリカとヨーロッパで新型コロナの感染が拡大すれば、システムの設置などに混乱をきたす可能性があると報告している。ただ今回の決算報告では、2020年通期の見通しなどについて新しい情報は公表されていない。

シュルンベルジェ(SLB)

1〜3月期は北半球の冬の時期に当たるため、平時でも全般に活動は低調となるが、ここに新型コロナと原油価格急落の影響が重なった。

アメリカ国外が主体の探査・評価事業は、ロシア、中央アジア、アフリカ、中国などほぼ全世界で収益が減少した。掘削事業の収益も、アメリカ国内のほか中東などで減少したほか、北米でも一部事業の撤退による事業縮小が影響し減少した。マレーシアとイタリアの製造施設が一時閉鎖されたことも響いた。

のれんの減損や買収に関連した費用など85億ドルを計上したため、この期は大幅な赤字となった。

加藤 千明 ファイナンシャル・プランナー、「アメリカ企業リサーチラボ」運営

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かとう ちあき / Chiaki Kato

大手証券会社勤務の後、1993年7月、東洋経済新報社に入社。主に統計指標をベースとした刊行物を担当する一方、電機・化学業界担当記者としてITバブルの全盛期と終焉を経験。その後は、マクロ、マーケットおよび地域動向を主戦場に、データをもとにした分析、執筆などを行う。2005年より『東洋経済 統計月報』編集長、2010年より『都市データパック』編集長。『米国会社四季報』編集部を経て、2021年2月に退社。現在はファイナンシャル・プランナーとして活動するかたわら、アメリカ企業の決算情報を中心にSNSで発信。

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