学童保育「三密状態を避けられない」現場の苦痛 「コロナ罹患」「近隣の苦情」に悩む指導員たち

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大阪市は14日、感染防止策として、最寄りの中学校や高校、地域会館を利用できるよう改善策を示した。今週にも順次、利用が始まる予定だ。三密状態が少しでも改善できるよう期待したい。

最大の不安は、いつか自分が罹患してしまうのではないか、だ。

「感染者がいつ施設内、または身近な人の中で出るかわからない状況の中で、連日の長時間勤務は自身の感染リスク」を高めており、「子どもたちにも感染させてしまうかもしれないプレッシャー」と「この状況がいつまで続くのかという不安」を感じていた。

学童保育所を開所するためには、放課後児童支援員という資格を持つ指導員が必要だ。だが、有資格者は限られているため、休みがとれずに超過勤務を続ける指導員が多い。「疲労は限界状態。発熱したら閉所の可能性がある。この非常事態下なので休校期間中だけでも、柔軟に対応してほしい」と市への要望を訴える人も。

感染リスクを下げるためには、預かる子どもの人数を減らすことも必要だ。緊急事態宣言後、出席率が10%になっているところもあれば、ほとんど減っていない施設も見られた。仕事を休みたくても休めない保護者もいれば、休むことで失職の不安を抱える保護者もいるためだ。

学童保育を維持するために

また、在宅勤務に切り替わった家庭が登所を自粛する傾向になっていたが、在宅になりながらも子どもを預け続ける家庭もあるからだ。「家に子どもがいたら仕事ができないと学童に預ける家庭もあって対応が難しい。正直、子どもを休ませてほしいが、言いづらい部分も……」と、苦渋を吐露する指導員もいる。

キャリア20年以上の、ある指導員は、「勤務年数が長い指導員ほど、自分が頑張らねばと使命感を持って働いている。しかし、この状態がいつ終わるのかはわからない。指導員の体力、気力が果たして持つのか不安を感じている。学童の制度を維持していくためにも、保護者にも理解してほしい」と強調した。

須藤 みか ノンフィクションライター

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すどう みか / Mika Sudo

長く上海を拠点に活動したのち、2014年秋帰国。現在は、大阪、在日中国人のほか、子どもと読書、子どもの育ちにかかわる職業などをテーマに取材。著書に『上海ジャパニーズ』他。2009年、『エンブリオロジスト 受精卵を育む人たち』で第16回小学館ノンフィクション大賞受賞。「本好きキッズの本棚、見せて見せて!」などに連載中。

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