本社や原発でコロナ感染、電力会社が重大局面 東電は8人感染、自宅待機や工事中断が相次ぐ

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東電と中部電力の合弁会社で、燃料・火力発電事業を運営するJERAは、「感染予防・拡大防止」および「感染拡大後の事業継続」について対策を講じている。その内容は同社のホームページで明らかにされている。

同社の火力発電所では、運転員以外の社員の中央制御室への入室を禁止しているほか、万が一、運転員の感染が判明した場合に備えて、経験者で構成される代替班の準備体制構築など幅広い対策が講じられている。東電や東北電でも、給電指令など重要業務を担う社員が使用するエレベーターを一般社員のものと別にするといった対策が取られている。

東電では、福島県内の原発と首都圏の拠点間での社員の行き来を強く自粛するよう指示が出されている。

脅かされる電力の安定供給

政府による緊急事態宣言が4月16日に全国に拡大されたことにより、電力各社は全社規模で最高レベルの警戒態勢に移行。電力供給に必要な業務を除く業務の縮小方針を打ち出した。ただ、時差通勤などはすでに始まっているものの、感染リスクの高い電車通勤は依然として続けられている。テレワークも全般に遅れ気味だ。

そうした中での相次ぐ感染判明は、電力会社の生命線である安定供給が脅かされつつあることを意味している。

岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

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おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

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