本社や原発でコロナ感染、電力会社が重大局面

東電は8人感染、自宅待機や工事中断が相次ぐ

社員や協力会社の社員の感染が判明すると、職場の閉鎖や従業員の自宅待機などの形で業務運営に多大な影響が生じかねない。発電所や電力の需給調整を指図する給電指令所などの重要施設で感染が発覚した場合、電力供給そのものに影響を与えるおそれもある。

4月20日現在、電力供給に直結する重要施設での感染は確認されていないものの、社内での感染拡大のペースは加速している。すでに職場やフロア単位で大勢の社員が自宅待機を余儀なくされる事例が相次いでいる。

東電本社ビルの約200人が自宅待機

特に懸念されるのが東電本社で勤務する社員の相次ぐ感染だ。

東電では平時に約2700人が勤務していた14階建て本社ビル内で、すでに4人の社員の感染が確認されている。東電は、感染が確認された東電フュエル&パワーの役員や社員が勤務していたフロアを閉鎖して消毒作業を実施。同じフロアで執務していた社員約200人全員を4月10日から自宅待機(在宅勤務を含む)にしている。これまでに感染が確認された同社の3人は打ち合わせなどで顔を合わせていたという。

3人の役職員は電力供給業務には関与していないものの、本社ビルには、中央給電指令所など電力供給にとっての最重要施設もあり、警戒を怠れない。

九電の玄海原発では、工事にたずさわるゼネコン社員の感染が明らかになったことで、テロ対策施設の建設工事が中断に追い込まれた。同工事に従事していたのは、九電の社員や協力会社の作業員など約300人。その後、新たに感染者が確認されたこともあり、工事は停止している。

工事現場は、原子炉建屋から離れていることもあり、原発の稼働そのものに支障は出ていない。とはいえ、工事中断が長期化すると原発の稼働に影響が及ぶ可能性もないわけではない。

というのも、テロ対策施設は、原発の再稼働に必要な手続きの一つである工事計画認可の取得から5年以内の完成が義務づけられており、再稼働にこぎ着けた玄海原発3号機ではその期日は2022年8月24日。原子力規制委員会が定めたルールにより、対策施設が期日までに完成しない場合、原発の運転を再び停止せざるをえなくなる。

今般、感染が判明した東電の柏崎刈羽原発の30代男性社員は、原発構内の「事務本館」で防災業務に従事していた。東電によれば、4月16日以降、接触のあった社員5人が「念のための措置」として自宅待機となっている。

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