「新型コロナ」を追い風にしてしまう株とは? 株価は決算発表シーズン入りでどう動くのか
新型コロナウイルスの感染拡大が止まっていない。日本では、とうとう緊急事態宣言が全国規模に広がった。海外で見られる都市封鎖のような強制力を伴うものではないがそれでも都心の人出は減少し、街の風景が変わってしまった。多くの市民が、改めて自分たちは難敵と対峙していると実感しているに違いない。
一方、株式市場に目をやると、市場の重要イベントである決算発表シーズンが近づいている。今回の決算発表は、いったいどのような影響を市場にもたらすのだろうか。
業績が新型コロナに左右されにくい企業とは?
すでに日本電産やコマツ、野村ホールディングス、関西電力など多くの企業が新型コロナの影響で決算発表の延期を表明している。また、予定どおりに決算を発表しても、今期(2021年3月期)の業績見通しを示すことができない企業が相次いでいる。
本来であれば、会社が示す業績見通しを受けて、株価は「好感」「失望」「材料出尽くし」「アク抜け」、といった反応を示す。だが、見通しが出なければ、反応するのも難しい。ということは、今回の決算発表に関しては「予定どおりに決算発表を行って、よくも悪くも今期の業績見通しを示すことができる企業に注目」、ということでいいだろう。
なぜなら、これらの企業は「コロナの影響を受けていない」、あるいは「受けていても軽微にとどまっている企業」などと言えるからだ。感染の拡大がいつごろ収束に向かうのかまったく見当もつかない状況では、業績が新型コロナに左右されにくい企業に安心感があるだろう。
例えば国内でITサービスが堅調でテレワークがパソコン需要を刺激しそうなNEC(6701)や5G基地局向けなどで電波測定装置の伸びが続いているアンリツ(6754)、そして消費減退の影響を受けにくいNTTドコモ(9437)をはじめとする通信キャリアなどは安心して決算発表を迎えることができそうだ。
設備投資から個人消費、さらには電鉄や航空まで、幅広い業種で新型コロナが業績の足を引っ張る恐れがあるだけに、新型コロナに負けない企業の存在感は決算発表を経て一段と強まることになるだろう。
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