またアジア人は新しいことを学ぶことに前向きなのに、西洋人はパンデミックで外出禁止になった今もなお学ぼうとする姿勢が見られず、いつものように「マスクに関する議論」だけを続けていると批判しています。もっともオーストリアのように買い物や公共交通機関でのマスク着用が義務付けられた国もあります。
その一方で、たとえばロンドン市長は「バスの運転手にマスクは必要ない」と発言しており、ヨーロッパでの「マスク」はとにかく議論の対象なのです。
日本であれば「予防のためにもマスクを」という考えに異論を唱える人はあまりいません。なぜ欧米では冒頭のような強奪戦が繰り広げられている今もなお、マスク着用に関する対立が目立つのでしょうか。
マスクをしている人は「ワケありの人」?
もともとヨーロッパ人のマスクへの拒否感は相当なもので、「マスクをしている人=病気持ちなのではないか」という偏見も多くみられました。「人にうつる病気を持っているのではないか」「病院から脱走したのではないか」といったよからぬイメージが先立っていたように思います。
「マスクをしている人は銀行強盗なのではないか」「昔のマイケル・ジャクソンの真似をしているのではないか」など、とにかく不審な人、もしくは変わった人扱いされたものです。
日本の場合は新型コロナウイルスが登場する前から、花粉症や風邪、または予防のためにマスクをすることは珍しくありませんでした。
日本での生活が長い筆者もここ一番で絶対に風邪をひきたくない時や自分が風邪気味のときなど、しばしばマスクを着用して出かけることがありました。その際に仕事などでドイツ人と会うと、怪訝な顔をされたものです。
私のマスク姿を見て「君もすっかり日本人だね」なんて嫌味を言う人もいました。日本国内にいるドイツ人でさえそうなのですから、新型コロナウイルスが蔓延する前のドイツでは、街中にも公共交通機関にもマスク姿の人はほぼいませんでした。
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