アメリカのコーヒーチェーン大手のスターバックスは4月8日、新型コロナウイルスの世界的大流行を受けて2020年1~3月期の売り上げが47%減少するとの見通しを発表した。特に本拠地のアメリカで3月中旬から流行が急拡大した影響は大きく、同月最終週のアメリカの既存店売上高は前年比60~70%も減少した。
そんななか、新型コロナの流行がいち早く落ち着いた中国では徐々に好転の兆しが見えている。
中国で新型コロナの流行が拡大した1月下旬以降、スターバックスは中国にある約4300店舗の大部分が一時閉鎖を迫られ、約4億ドル(約434億円)の減収要因になった。最も影響が大きかった2月には、中国の既存店売上高は前年同月比78%も落ち込んだ。
客足戻るも、コロナ前への回復は半年先
しかし3月は、既存店売上高の減り幅が同64%減に縮小、3月最終週に限れば同42%減まで回復してきた。また、2月最終週の時点では注文の80%をスマートフォンのアプリを通じたテイクアウトが占めていたが、3月最終週にはその比率が27%に下がった。店舗への客足が次第に戻り、レジで注文する顧客が増えていることを示している。
スターバックスは、中国での業績が以前の水準に戻るのは半年先と予想している。3月初めには中国の店舗の90%が営業を再開し、4月上旬には95%に達した。しかし各地の防疫対策の規定により、現在も多くの店舗が営業時間を短縮したり、座席数を減らしたりしている。
一方、アメリカでの影響はまだ始まったばかりだ。スターバックスのアメリカでの業績は、2020年の最初の10週間は絶好調だった。年初から3月11日までの既存店売上高は前年同期比8%増加、販売数は同4%増加と、過去4年間で最高の状況だった。
しかし新型コロナの流行でアメリカの既存店売上高は3月12日から減少に転じ、3月最終週には60~70%も落ち込んだ。このためスターバックスは2020年9月期の通年の業績予想を撤回。新型コロナの打撃は1~3月期より4~6月期のほうが深刻であり、7~9月期も影響が続くと見込む。
(財新記者:沈欣悦)
※原文は4月10日配信
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