中国国家統計局は今年第1四半期(1~3月)の主要経済指標を4月17日に発表する。それに先立ち、財新は投資銀行やシンクタンクなど18のリサーチ部門を対象に独自調査を実施した。それによれば、第1四半期の国内総生産(GDP)は新型コロナウイルス流行の影響でマイナス成長に陥る可能性が高い。
スイスのUBS銀行の中国地区チーフエコノミストを務める汪涛氏は、3月の経済活動の回復ペースが予想より遅かったことから、第1四半期のGDPが前年同期比10%減少する可能性があるとの厳しい見方を示した。
調査全体では、GDPに関するエコノミストの予想は平均値が-6.6%、中央値が-7%だった。予想値の最低は-11.5%、最高でも0%と、プラス成長の予想は皆無だった。
工業生産や内需は回復も、貿易は低迷続く
3月の工業増加値(訳注:工業製品の付加価値の増減を表す指標)の予想値は平均で-6.5%と、製造業の操業再開を受けて1~2月より7ポイント改善した。各エコノミストの予想値は-20%から+4%までばらつきが大きく、中央値は-5%だった。
華創証券のチーフマクロ経済アナリストの張瑜氏は、全国の1日当たりの発電量と電力消費量のデータで3月後半に前年比プラスとなる日が出てきたことに着目。工業増加値は電力消費との相関性が高いことから、3月はマイナス幅が大きく縮小するかプラスに転じる可能性があると予想する。
対外貿易は低迷が続きそうだ。国泰君安証券のチーフエコノミストの花長春氏は、新型コロナの世界的大流行により欧米の製造業の景況感が一気に冷え込み、3月の中国の輸出は22%減少すると見込む。エコノミストの予想は輸出の平均値が-15.7%、中央値が-14.2%。輸入は平均値が-10.2%、中央値が-8.3%だった。
一方、内需に関しては不動産投資や個人消費の回復が期待できるとの結果が出た。1~3月の固定資産投資の累計増減率は予想の平均値が-14.7%、中央値が-16%。3月の社会消費財小売総額の増減率は予想の平均値が-8.8%、中央値が-8.5%と、いずれも1~2月より改善した。
(財新記者:沈凡)
※原文は4月13日配信
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