新型コロナで「婚活市場」も変化を迎えている 会えないなら結婚しようというカップルも

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「交際に入ってからWeChatをつなげました。これまで交際に入った女性の中で、一番やり取りをしています。というか、こんなに女性にマメに連絡入れている自分に驚いています(笑)。WeChatで、『日本食で一番好きなものは何?』と聞いたら、『お寿司』と言うので、土曜日はお寿司を食べに行きました。そして日曜日は、中華を食べに行きました」

中華を食べに行ったときに、彼の心がグッとつかまれる出来事があった。

「僕が帰り際にトイレに行っている間に、会計をマーさんが済ませていたんです。『昨日、お寿司をご馳走になったから、お礼です』と言って。もう感激しました」

結婚相談所の婚活では、お見合いのお茶代は男性が払うが通例だ。デートの費用も男性側が支払うことが多い。それが暗黙の了解事項になっているので、お茶代やデート代を割り勘にする男性は、“セコイ”と見なされ、女性側から“お断り”が来てしまうことがある。

日本は男女平等の社会になって久しいのだが、デートの支払いに関していうと、“払える男がかっこいい”という風潮がいまだに残っている。また、女性は、お金を払ってもらうことイコール、それだけ自分が大切にされていると考える傾向にある。お茶代や食事代を割り勘にされると、決まってこんなことを言う女性がいる。

「1000円のランチ代を払う価値もない女なんですかね、私は!」

これまでお見合いしたり、お付き合いしたりした女性たちに、陽一は当然のごとくご馳走をしてきたので、トイレに立っている間にお会計を済ましてくれていたマーの優しさが心にしみたのと同時に、新鮮だったようだ。

このまま会えないのなら…

順調にデートを重ねていたのだが、世の中には日に日にコロナウイルス感染者が増えていき、マーの会社からは“外出禁止令”が。そして、日本政府からは緊急事態宣言が出された。

コロナウイルス終息の見通しは、まったく立たなくなった。いつまで続くのか。どうしたらマーに会えるのか。

そのときに陽一が導き出した結論が、結婚だった。

「今は彼女が他人だから会えない。結婚して、家族になればいい!」

そして、緊急事態宣言が発令されたその夜に、彼は電話でプロポーズをした。そのプロポーズに、マーも快く応じた。

新型コロナウイルスが大流行をし始めた頃から、婚活者たちの動向は人によって大きく分かれるようになった。

こんな状況下では婚活は難しいと、休会を申し出た会員もいる。決まっていたお見合いを、「コロナの終息が見えてきてから、お会いしたい」と再調整を申し出た人もいる。LINEやビデオ電話やスカイプなどを活用して、連絡を閉ざさないようにしている人たちもいる。

そんな中で、「家族になれば、誰に文句を言われることもなく、ずっと一緒にいることができる」と考えた陽一の決断が、結婚。

やっぱり、私は思う。“結婚は、決断である”と。

婚約の報告を私にしてきた陽一が、最後に言った。

「本当は、お洒落なレストランを予約して、ドラマチックなプロポーズをしてあげたかったけれど、今は“#ステイホーム”ですからね。でも、こういう状況下でのプロポーズも、後々いい思い出になると思います」

本当におめでとう! 2人で力を合わせて、これから幸せになってね。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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