コロナで最も変わった国はフランスではないか あんなに個人の自由を重んじる国だったのに

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今では10万人の警察官が犯罪の取り締まりではなく、外出禁止令の徹底にあたっている。この間、薬物ディーラーや泥棒をはじめとした犯罪者が街中に野放しにされているのに、だ。

外出禁止のため、親は自宅で仕事をしている。フランスの学校はZoomなどのビデオ会議システムを使って「バーチャル教室」を立ち上げて授業を続けている。試験は延期された。

「マスク」に対する姿勢も一変した

同様の取り組みを行っている東京にあるインターナショナルスクールの教師は「子どもたちは総じてうまく対応している。課題を定期的に送っており、彼らを信頼すれば、彼らはそれに答えてくれる」と話す。

ところが、フランスでは教育大臣が「児童の8%が途方に暮れた状態だ」と主張する。平時から親に放任されたてきた子どもたちに大人の目が行き届かないのだ。

ウイルス検査に対する姿勢もちぐはぐな状態が続いている。政府は当初、日本同様、徹底的な検査は必要ないとしていた。今では1日で1万2000件の検査能力があるが、それでも1日あたりの実施件数は5000件程度にとどまっている。4月末までには1日3万件、5月末までには5万件、6月末までには10万件のテストを実施できるようになるとしているが、実施数が増えるかは未知数だ。同時に、感染者を受け入られる病床数も5000床から1万4000床へと急ピッチで増している。

マスクに対する姿勢も一変した。政府は一般市民がマスクを着用する必要はない、と数週間にわたって言い続けてきたが、ここへ来て血眼になってマスクを探し、公的資金を投入して国内でのマスク生産を支援している。フランスは10億枚のマスクを注文し、「空中の橋」、つまりフランスと中国の間でマスクを運ぶ恒久的な空輸を設けた。

フランスはマスク前線において大きく出遅れており、医療従事者の間ですらマスクが不足している。「私が暮らすリールの街では、地元政府が市民に対してマスクを作って病院に送るよう呼びかけるキャンペーンを始めた。これでも先進国だろうか」と、住民のアンソニー・デュフォ氏は首をかしげる。

表現の自由にも影響が及んでいる。3月17日、フランス全土のロックダウンを宣言した国民に向けたドラマチックな演説の中で、マクロン大統領は6回にわたって同国がコロナウイルスとの「戦争状態にある」と発言した。

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