上司の「友達申請」を若者が絶対拒否したい理由 そもそも「友達申請」してくる事自体が不適切
――では、部下からの友達申請によってSNSでつながった場合、上司はどんなことに気をつけるべきなんでしょう。
寺田:直ちにハラスメントではありませんが……投稿内容に触れるのは極力やめるべきでしょう。一度、部下の立場に立って考えてみてください。例えば、上司からしたら世間話のつもりで「昨日、飲みに行ったんだね」と声をかけたとします。
ですが、言われたほうからすれば「次の日仕事があるのに遅くまで遊んでいるなんて……」と責められている気分になるかもしれません。パワハラと誤解されかねませんからね。
寺田:これも絶対「ダメ」ではありませんけど……頻繁にコメントすれば、部下が行動を監視されていると感じることもありますし、そもそもコメントが来ること自体が干渉と捉えられる可能性だってあります。それにコメント内容によってはセクシャルな意図があると誤解されることもありますからね。
寺田:これはハラスメントよりも、まずプライバシー侵害になる可能性があります。たとえ悪気はなかったとしても、今はウェブで簡単に画像検索ができる時代。
この機能を使えば同じ人が写っている写真を探すこともできる。そうなれば当然ストーカーなど悪意を持った人にとっては個人を特定する手がかりになってしまいます。上司がよかれと思って仲のいい部下との写真をアップすることで、その部下を危険にさらすこともある、と自覚すべきです。
SNSでは他人行儀くらいのほうがうまくいく
――恐ろしい時代ですね。最近では勝手にSNSに写真を載せることをフォトハラ(=フォトハラスメント)と呼ぶらしいですが。

寺田:その言葉は初めて聞きましたね(笑)。勝手に写真を載せるのはもちろんダメですが……とはいえ、部下としては上司から「写真載せていい?」とお願いされたら、よほどのことがなければOKせざるをえない。上司はそのことまで考慮する必要があるということでしょう。
――つねに部下の気持ちになって考えることが大事ですね。ほかにもSNS上で起こりがちなハラスメントってありますか?
寺田:上司から部下に自分勝手なSNSルールを強要するケースが考えられますね。特定の相手に返信(メンション)するとき「@〜〜」とつけますが、そのままだと呼び捨てになるから目上の人に対しては「さん」をつけろとか。実は僕もプライベートでそういう人に出くわしたことがあるんですよね。
――SNSマイルールオッサン、どの社会にもいるんですね。まあ、自分もそうならぬよう気をつけましょうってことか。
寺田:SNSはこれまで生きてきた文化の違いが表面化しやすいツール。立場の強い上司が自分勝手なルールを部下に押し付けることは、ハラスメントの原因にもなります。余計なトラブルを招かぬよう、親しい部下ともSNSの世界では“他人行儀”なくらいのほうがうまくいくかもしれませんね。
――勉強になります!
(文/小山田滝音)
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