コロナ「緊急事態宣言」でこれから起きること

総力戦体制による「独裁」のリスクにも注意

一方、感染していない国民の生活も今後、激動する可能性がある。ここでポイントとなるのが、特措法だ。

特措法では、内閣での政府対策本部の設置や基本的対処方針の取り決めを規定しているが、これらはすでに3月中に実施済みだ。次の山場となるのが緊急事態宣言の発動だ。特措法の下では、国民の生命および健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあり、その疾病の全国的かつ急速な蔓延により国民生活や国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるとき、対策本部長(内閣総理大臣)は緊急事態宣言を発令する。4月6日、安倍晋三首相はついに同宣言に踏み切る意向を固めた。

同宣言が出れば、各都道府県は必要に応じて、特定地域内で期間を定めて、外出自粛の要請や、学校や社会福祉施設(高齢者デイサービスセンターや障害者支援施設、保育所など)、興行場(映画館、劇場、寄席、ライブハウス、野球場・サッカー場など)などの施設使用制限の要請・指示を行うことになる。海外で行われているロックダウンでは、国や地域によって封鎖の強制度や範囲は異なるが、日本の場合はこれが主なロックダウンの内容となりそうだ。

緊急事態宣言は外出自粛だけではない

一方で特措法では、コロナ対策で重要となる機関(民間含め)を「指定公共機関」として定めている。具体的な指定公共機関は、国立病院などの独立行政法人や日本医師会など医療団体、医薬品・医療機器メーカー、日本銀行、NHK、電気・ガス事業者、鉄道・航空・海運・貨物、通信会社など多岐にわたる。これらの指定公共機関は政府や都道府県の行動計画に基づき、各機関がコロナ対策を行う業務計画を作成することが義務づけられている。

例えば、緊急事態の中でも安定したインフラサービス(輸送や電気・ガス、通信など)を提供したり、有効な治療薬が登場した際は政府対策本部長の調整の下、製薬業界が連携して増産したりすることなどが求められる。また、指定公共機関がコロナ対策を進めるうえで必要な労務や設備、物資を確保しづらい場合には、政府や都道府県に応援を求めることができる。

さらに緊急事態宣言が出れば、政府や都道府県はこれらの指定公共機関に対し、より強力なコロナ対策上の指示を出すことが可能になる。

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