世界情勢で激変!「時価総額ランキング」TOP100 ソフトバンクGは転落、ソニーや医薬品は上昇

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マイナス金利の逆風が吹くメガバンクも、時価総額を大きく減らした。11位の三菱UFJフィナンシャル・グループは2兆円、26位の三井住友フィナンシャルグループは1.8兆円、35位のみずほフィナンシャルグループは1.2兆円が消えた。ほかに日本郵政ゆうちょ銀行など郵政3社も大きく時価総額を減らし、特に不祥事をおこしたかんぽ生命は時価総額が半減となった。

ほかには、日本航空ANAホールディングスなど、コロナショックによる渡航制限の打撃を受けたエアライン2強に対しても、市場の警戒感は強く、時価総額を大きく減らした。

ただしすべてがマイナスというわけではない。

首位のトヨタ自動車は、時価総額が21.5兆円と、むしろ健闘組。不振の自動車業界で独り勝ちとなった好業績が評価された格好である。足元で相次ぐ工場停止で業績悪化懸念が出るが、中長期で見た場合、3.5%近辺の配当利回り、PBR1倍割れと割高感はない。株価は意外な底堅さを見せている。

菅義偉官房長官による携帯値下げ発言から、大きく株価を崩していたキャリア(通信)3社も、前期は株価回復が鮮明だった。特に2位のNTTドコモは3兆円を増加させ、久しぶりの2位にランクイン。連続増配を達成中の7位のKDDIも1.4兆円増だった。9位のソフトバンクもしっかりだった。

通信3社や半導体関連、医薬品は買われた

業種的にはエレキや半導体関連の上昇も目立った。その代表が5位のソニーだ。金融、音楽・映画、そしてサブスク化が成功しているゲーム、さらに強化中の半導体(CMOSセンサー)が収益柱に育つ。もともと外国人投資家に人気の銘柄。2019年秋からの大幅買い越しの中でよく買われ、前年より2兆円以上の増加を見せ、ランキングも上げてきた。

前々期は株価が下落一辺倒だった半導体関連も、前期は強さを見せつけた。5G向けなどさまざまな領域で需要増が見込まれ、世界的な半導体株指数も上昇傾向にある。中でも信越化学工業は5000億円増で18位に入り、東京エレクトロンも32位に順位を上げてきた。

海外勢の買い復活の中では、医薬品もよく買われ、時価総額を上げたのが8位の中外製薬だ。血友病薬「ヘムライブラ」が海外で拡大し最高益が続いている。時価総額は実に2.7兆円も増やした。12位の第一三共も人気。国内で抗凝固剤や抗腫瘍剤が伸びたほか、アメリカでも乳がん治療薬の承認が早まったこともあり、利益が膨らんだ。こちらは1.6兆円膨らまして、12位まで順位を上げてきた。

ほかに活況が続くIT業界も、多くの企業が順位を上げている。58位の富士通や79位の野村総合研究所、83位のオービック、93位の日本オラクルなどが大きく順位を上げ、NECもベスト100にあと一歩となる110位まで回復してきた。

目先は視界不良だが、年度を通してみれば、必ずしも悲観一色ばかりではない。いつかは来る”ポスト・コロナ”を前に、冷静な視点で、新時代における「勝ち組」の顔ぶれを見極めたいものである。

 
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