これを変更し「厚労省と相談すること」を削除したのはよいが、加藤勝信厚労相が記者会見で「軽症者の療養体制の整備について具体的に検討してほしい」と自治体に対して言ったように、厚労省はどのように療養体制を整備するかは自治体に丸投げ状態にみえる。
生活支援・中小企業支援は調整が進んでいるが…
3日に発表された政府の経済支援策は、現金給付を1世帯に30万円するというものだった。ただし、その内容は固まっておらず、減収額が一定の基準を下回る世帯を対象とし、希望する人が市町村に自己申告して受け取るものだという。
さらに、一定の基準を下回るとは、夫婦2人の世帯の場合25万円未満とする、子育て世帯は子どもの人数に応じて基準を緩める、単身世帯の場合は厳しくするという案が出ているがまだ調整中だ。対象者は全国の全5800万世帯のうち1000万世帯の見通しとみられる。
こんなに基準を複雑にしてしまえば、市町村の窓口での審査期間が長期化する。申請者は新型コロナウイルスの感染拡大で収入が減っていることを証明する書類提出が必要だ。これでは申請者と市町村へ多大な事務負担が生じることも簡単に予想できる。その結果、支給されるまで何カ月もかかり、今本当に困っている人々への支援が遅れてしまう。
もともと政府案として出ていた1人あたり10万円の給付案のほうが、はるかにシンプルで、スピーディーに対応できるのではないか。高額所得者へも10万円を給付することに反対が大きいというのであれば、昨年の所得で線引きをすればよいだろう。
現金給付においては中小企業やフリーランス含む個人事業主への支援のほうが大きな進展があった。
3日、安倍首相が「厳しい状況にある中堅、中小・小規模事業者に事業の持続を目的として史上初の給付金措置を創設する」と表明している。収入が大幅に減ったりした中小企業には最大200万円、フリーランス含む個人事業主に最大100万円の現金給付も検討しているという。
また都道府県の制度融資の仕組みを通じて、政府が利子分を補填することで最大5年の返済猶予期間を設けて、無利子無担保で融資をできるようにするということである。
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