「地味」なドロップボックスが人気化した理由

“本当の便利”は、まだまだ見つかっていない

2013年だけで社員が2倍以上に

ドロップボックスは、現在、世界中で2億人のユーザーを抱え、社員は2013年だけで200人から500人に膨らむほど急成長を遂げた。同社は先頃、3億5000万ドルのCラウンドの投資を受け、来るべき巨大IPOを行うであろう会社として期待がかけられているところだ。

考えてみれば、ドロップボックスのようなサービスは、グーグルやマイクロソフトがやってくれるのではないかと思っていたところもある。ストレージのような地味なサービスを、しかも有料で提供する専門会社。普通ならば目も向けないところだろう。

だが、ドロップボックスは、自分の大切なファイルを保存しておく場所であり、しかも使い心地がスムーズ。そこにカネを出すのは当然のことという意識をユーザーに芽生えさせたという点で、まれなタイプのインターネット企業と言える。

挫折から、有力パートナーの発見へ

大成功を収めているドロップボックスだが、ハウストンが起業した当初はうまくいかないことばかりだったようだ。

ボストンのマサチューセッツ工科大学を卒業して、起業を決心したハウストンが最初に向かったのは、シリコンバレーだった。スタートアップを育成するアクセラレターとして知られるYコンビネーターを訪ねようとしたのである。そこで共同創業者を見つけて、Yコンビネーターにも加えてもらうつもりだった。

だが、アポもなくやってきたハウストンは、10分もしないうちに追い出される。暗い気持ちでボストンに戻り、ともかく必死で共同創業者になってくれる人物を捜し続けた。ようやく友人の紹介で会ったのがアラシュ・ファードウシ。まだマサチューセッツ工科大学に在学中だったが、コーヒーハウスでハウストンと2時間たっぷり話した後、ファードウシはドロップアウトを決めた。2人は、再びシリコンバレーへ向かい、今度こそはYコンビネーターに受け入れられたところから、ドロップボックスの成長が始まった。

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