コロナで支払えない人が頼りたい「免除・猶予」 税金、年金、住宅ローン、公共料金など制度あり

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電気、ガス、水道、電話など、日常生活で必ずかかる料金。各地の外出自粛要請により自宅で過ごす時間が長くなり、請求額が跳ね上がってしまう心配もあるかもしれません。

現在、各供給会社では支払いの猶予措置を取っています。電気、ガスは支払期日が2020年3月25日以降の料金(電気は3~5月分、ガスは2~4月分とされている会社が多い)について、支払期限を1カ月延長してもらうことができます。供給会社に電話で申し出ると対応してもらえます。

対象になるのは新型コロナウイルス感染症の影響で休業や失業をして支払いが困難、または緊急小口資金・総合支援資金など、今般の影響で各都道府県の臨時の貸付制度を利用している人に限られます。個別に細かな状況を相談し、該当するか確認するとよいのではないでしょうか。

水道料金は各市町村が猶予措置をとっています。電気やガスと同様の要件を設けている地域が多いですが、個別の相談に応じるとしているのが一般的です。東京都の場合は、電話で申し出ると最長4カ月間、支払いが猶予され、その後も状況により延長してもらえます。

携帯電話は、大手3社については2020年2月末(KDDIは25日)以降が支払期限の料金について、5月末まで支払いを延長してもらえます。法人契約、個人契約ともに、支払いが困難なときには契約先に電話で申し出ると延長されます。また、新型コロナウイルス感染の状況によっては、今後さらに支払期限の延長に対応する可能性もあるとしています。

生命保険・損害保険は最長6カ月猶予

生命保険や自動車保険、火災保険などに契約している人は、その保険料の支払いを猶予してもらうこともできます。

通常、各保険には口座引き落としで保険料を支払えなかったときなどに1カ月程度の支払い猶予期間が設けられています。この猶予期間を過ぎて支払いをしないと保障(補償)が切れてしまいますが、今般の臨時措置として、生命保険(医療保険、がん保険などを含む)は2020年9月末まで、損害保険(自動車保険、火災保険など)は5月末まで、猶予期間が延長されます。

猶予期間を延長するには、契約先の保険会社に電話で申し出をします。支払いが厳しいことを伝えれば、基本的には細かな要件は問われないところが多いようです。

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これらの猶予や免除の措置は、今後の新型コロナウイルス感染症の状況に応じて随時変更される可能性があります。また、個別の状況に応じて相談に乗ってもらえることもあります。支払いに困ったら、早めに地域の窓口や業界団体、契約先の会社に相談してみるとよいのではないでしょうか。

新型コロナウイルス感染症が1日も早く終息すること、そして生活への経済的な負担が少しでも減り、日常生活を取り戻せることを願っています。

加藤 梨里 FP、マネーステップオフィス代表取締役

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かとう りり / Riri Kato

保険会社、信託銀行などを経て2014年にファイナンシャルプランナーとして独立開業。家計相談、セミナーや雑誌・ウェブサイトでの執筆を中心に活動。慶應義塾大学SFC研究所上席所員として、健康増進とライフプランの関係をテーマに研究活動も行っている。http://moneystep.co/profile

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