住宅ローンを抱えている場合には、その返済が家計の重荷になってしまう懸念もあるでしょう。現在、住宅ローンは期日通りに返済するのが原則で、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた人向けに一律の措置を公表している金融機関は少ないようです。
しかし、返済が厳しいときには個別に相談することで、期日の猶予や返済額の軽減に応じてもらえることがあります。返済日の変更、借入期間の延長、ボーナス払いの取りやめなど返済条件の変更を伴うと、変更内容によっては手数料がかかることがあります。ただ、一部の銀行では新型コロナウイルス感染症の影響を受けて変更する場合にかかる1万~3万円程度の手数料を免除しています。
また、感染拡大の影響でこの春に引き渡し予定だった新築のマイホームの完成が遅れているなど、住宅ローンの融資開始を延期する場合、本来は融資日の変更としてかかる手数料を免除する銀行もあります。
金融庁や全国銀行協会などでは、新型コロナウイルス感染症の影響でローン返済が難しくなった人に向けて、電話での相談窓口を設けています(金融庁0120-156811、全国銀行協会
050-3540-7553)。返済計画や返済条件の変更などについて、無料で相談できます。借入先の金融機関への相談とともに、活用できそうです。
賃貸向けには住居確保給付金がある
賃貸住まいの場合には、家賃を下げてもらう、支払いを延ばしてもらうのは基本的に大家さんに直接交渉するしかありません。滞納が続くと、家を出ていかなければならないおそれもあるかもしれません。
しかしやむをえず仕事を退職したことで生活が立ちゆかなくなった場合には、各地域の自立相談支援制度を利用できることがあります。
この制度には「住居確保給付金」といって、離職したことで自宅を退去せざるをえなくなった、退去のおそれがある人に、家賃相当の給付金を支給するしくみがあります。各市区町村の自立相談支援機関が運営しており、東京都の場合には離職から2年以内の65歳未満の人で、収入や資産が所定額以下、ハローワークで求職活動をしているなどの要件を満たすと受給できます。
これに関する厚生労働省がまとめた「生活困窮者自立支援制度について」はネットで検索できます。
受給額は自宅のある地域や世帯人数によって所定の計算式で決まります。実際の家賃の全額が支給されないこともありますが、住居費の負担を軽減する助けになるかもしれません。
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