今さら聞けない「米、コロナでゼロ金利」の意味 ゼロ・マイナス金利、意外と知らない金利の話

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日銀がお金を貸すときの金利を(ほぼ)ゼロにすると、民間の銀行はより多くのお金を借りることができます。銀行も商売ですから、お客さんにゼロ金利のまま貸すことは考えにくいですが、「タダ同然で日銀から借りたお金だから」と、一般の人たちに貸すときも非常に低い金利になります。つまり、0%に限りなく近い金利のままになるはず、というロジックです。

中央銀行の金利がゼロになることで、一般の人たちが銀行からお金を借りやすくなり、結果として社会全体にお金が流通し、景気の上向きが期待できる、というわけです。例えば、コロナで打撃を受けて破産しそうな会社も、低金利でお金を借りて持ちこたえられる可能性が高まるでしょう。

個人の消費を促す効果も

また、金利が低くなることで、個人の消費を促す期待も持たれます。借りるときの金利と預けるときの金利はある程度連動します。つまり、「金利が下がる=預けるときの金利も、借りるときの金利も下がる」ということ。預金金利が下がると、人々は銀行にお金を預けようとせず、結果、個人の消費活動につながりやすいという側面もあります。

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今回のアメリカのゼロ金利への舵切りも、「連邦政府の中央銀行の金利をゼロに近づけることで、民間の銀行からお金を借りやすくし、市場のお金の量を増やす」「個人の財布にお金をとどめることで、消費を促す」という2方向から、コロナショックで停滞した経済を動かそうというアメリカ政府の意図があると考えられるのです。

なお、少し時計の針を戻すと、日本では2016年1月から、日銀による「マイナス金利政策」が実施されています。「金利がマイナスになる」とはどういうことなのでしょう?

これは、民間の銀行が日銀に預けている預金の一部の金利を“マイナス”にするということ。預金をしている銀行が逆に日銀に金利を支払うことになるため、預金の引き出しを促し、企業への貸し出しや投資を増やして市場を活性化させる効果があるとされる金融政策です。

ただし、金利がマイナスになるのは、あくまで民間の銀行が日銀に預けている預金の一部に対して。個人が各金融機関に預けている預金金利がマイナスになったり、預金残高が減ったりするわけではありません。

金利は経済の基礎知識とも言われています。「お金を学ぶなら、金利から」という専門家の声もあるほどです。自分がお金を銀行に預けたり、ローンを借りたりするときはもちろん、経済ニュースを見てむやみに不安にならないためにも、金利の意味を正しく理解しておきましょう。

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