コロナ危険別「行っていい場所・ダメな場所20」 出かけても感染リスクの低い場所はどこ?
休日は自宅にこもる人も少なくないようだが、いっさい外出しない生活を続けられる人は限定的だ。出かけても感染リスクの低い場所はどこなのか、どのように立ち回ればいいのか──。
感染症専門医で東京都の『KARADA内科クリニック』の佐藤昭裕院長は「飛沫(ひまつ)感染を防ぐには感染者との位置関係と距離が大事」と説明する。無自覚・無症状の感染者がいることも想定されるため、少しでもリスクを減らすには周囲全体に気を配らなければならない。
「向き合った状態では1.5~2メートル離れるのが望ましい。お互いに手をのばしたとき触れる距離は危険です。咳(せき)やくしゃみのほか、しゃべるときも唾液が飛沫になって前方に飛んでおり、ウイルスを含んだしぶきはやがて下に向かいます。
例えば電車で座っているとき、前に立っている人がマスクをせず、こっちを向いてしゃべっていれば感染リスクは高くなります」(佐藤院長)
つまり、座るよりも立っているほうが安全といえる。電車の乗車時に限らず、外出先などでは、この位置関係と距離を保つようにしたい。
手洗いに15秒はかけて
では、どのような状況だと危ないのか。
東北大学病院・感染管理室の徳田浩一室長は、
「比較的狭い空間で、空調も十分ではなく、人が集まるところは避けたほうがいい」
と話す。
「屋内であっても、広々とした場所に少人数しかいないのであれば、そんなにリスクはないと思います。逆に狭い場所で話をしたり、盛り上がって声を上げたり、騒いだりするのはリスクになりうる。換気がされているかどうかも大事です」(徳田室長)
厚労省の専門家会議が注意するカラオケボックスやクラブ、クラスター(集団感染)が発生したライブハウスなどは避けたほうがいい。
では、乳幼児を含めて子どもを連れて出かけるとき、どういった場所ならば安心できるのだろうか。
広島県の『女医によるファミリークリニック』の竹中美恵子院長(小児科)は、
「換気の必要がない公園は安全だとは思います。しかし、人が密集すれば飛沫が飛んでいることも十分に考えられますし、公園には遊具などの手すりがあります。
それらを直接舐(な)めることもあるでしょうし、触れた手を舐めることもあるので、遊具に触ったあとはしっかり手洗いやうがいをすることが大切です」
と、母親が目配りしたいポイントを指摘する。人が触ったものを触ることがリスクにつながるというわけ。
前出の徳田室長は、
「手洗いには15秒はかけてほしい。意外と長いんですが、とくに指先と指の間を意識してよく洗うようにすればクリアできるはずです」
とアドバイスする。