2つ目は、「俯瞰的に状況をみる力」です。俯瞰的とは、抽象度を上げて全体的にみるということを指します。具体的に身の回りだけを見ているのではなく、もう少し広い世界を見て、全体がどう動いているかを見てみます。そうすれば、変化の動きを感じるため「準備」ができます。
例えば、お隣さんがどう動いているかというよりは、各都道府県はどう動いているか。日本がどう動いているかというよりは、世界はどう動いているかというように、できるだけ広く大きく見ることです。これが俯瞰的です。俯瞰的に見ることができないと、自分事として感じることが遅くなり、結果として後の祭りになる場合もあります。
3つ目は、「長期的スパンで状況を見る力」です。歴史の勉強はこういうときのためにあります。例えば、過去のパンデミックはどう拡大し、収束していったのかを知ることで、今回もやがて収束するということがわかることでしょう。それがわかると現在は一時的に大変な状況であっても、やがて状況は落ち着き、前の世界より進化していくという希望が出てきます。
人類は危機に瀕するたびに、対応力を身に付け、進化し、長期的にはスパイラルしながら、成長し続けてきたことがわかるはずです。
心をマイナス側にもっていかれないために
メディアでは、新型コロナの情報を次々と更新しているため、人々は1日に何度も、何度も、その情報を見聞きします。多くはポジティブ情報ではないため、見聞きするたびに、ますます不安になっていきます。
さらに今後、新型コロナ情報から経済情報へと報道がシフトしていくと思います。個人の予防ではどうにもならないとなると、体の免疫力のみならず心の免疫力が試されることになります。そうなると、重要なことは、できるだけ「心をマイナス側にもっていかないこと」なのです。心がマイナスになると、体の免疫力も落ちることがわかっていますから、いかに心が重要かということです。では、どうしたらいいでしょうか?
1つの方法として提案したいのが、コミュニティーの力を使うことです。個人では、いつしか情報に振り回されてしまうことがあります。そこで「希望、励まし合う、正しい情報で判断する」仲間たちと交流しておくことが大切になります。ネットの情報は、こういうときはネガティブが圧倒的多くを占めるため、惰性で見ていると暗くはまり込んでしまいますので、ほどほどにしておきましょう。
子どもたちは、こういうときも親の姿を見ています。もちろん、楽観だけでもよくないでしょう。マイナス的な出来事に対しては最悪を想定して、適切な計画、準備をして、心はつねに前向き、積極性を保つようにするといいでしょう。
そのために意識するといいのは、ポジティブワードを口にする、ということです。拙著でも紹介してきましたが、「ありがとう」「うれしい」「いいね」など、気持ちが上がる言葉を使うようにするといいでしょう。
以上、「考える力」と「心の力」の2つについてお伝えしました。
このような状況はめったに起こるものではありませんが、ますます、「考える力」と「心の力」が試される時代になったのではないかと思います。
ということは、これからはよりよい時代がやってくると筆者は考えています。
「夜明け前がいちばん暗い」と言われます。
その暗い時期の後には、明るい世界がくると思っています。
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