人気爆発「競技かるた」が直面する悩ましい問題 "全員がアマチュア"という世界で必要なこと

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漫画「ちはやふる」で全国的な人気となった競技かるた。人気になったからこそ抱えた課題とは?©末次由紀/講談社
「畳の上の格闘技」と呼ばれるほど、激しい戦いが繰り広げられる競技かるた。競技人口は、漫画『ちはやふる』の影響により、今や100万人に達しているという。
漫画の作者である末次由紀さんは、今年1月に競技かるたの発展を目的とした「ちはやふる基金」を設立。その第一歩となる、基金協賛の「ちはやふる小倉杯」開催を記念して、末次さんのほかに「全日本かるた協会」で会長を務め、自身も永世名人の称号を持つ松川英夫さん、そして史上最年少でクイーンにのぼりつめ、10年間無敗を記録した永世クイーンの楠木早紀さんを迎えた対談を行った。
前編の記事に続いて、『ちはやふる』によって変化したかるた界の課題と未来について伺った後編をお届けする。

百人一首の札の向こうに自分の知らない世界がある

――末次さんが、競技かるたを題材に『ちはやふる』を構想したきっかけは何だったのでしょうか?

末次由紀(以下、末次):当時、講談社で担当してくれていた編集者さんが競技かるたのA級選手だったんですよ。その方は、まだ競技かるたが広く知られていないことに課題を感じていたみたいで。「新連載の漫画を考えているなら、競技かるたの漫画はいかがですか?」と提案いただきました。

幼い頃から親しんでいる文化の魅力を伝えるために、誰かに漫画で表現してもらうことが夢だと聞いて、純粋に心を打たれたし、私自身も百人一首が好きだったんですよ。百人一首の札の向こうに自分の知らない世界がある。そういう予感がして、すぐに「勉強します!」と快諾しました。

――それまでは、競技かるたを見たことはありましたか?

末次:ニュースで見る程度で、最初に50枚の札を25枚に分けるというルールさえも知りませんでした。遠くの方に札を激しく飛ばし、それを迷わず定位置に戻していく光景が信じられなかったですね。私の知らない世界で、競技に深く馴染んでいる人たちが存在しているんだなと実感しました。

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