一方、2143人のうち90%を超える小児患者が、無症状(4.4%)、軽度(50.9%)あるいは中度(38.8%)の患者だった。重症または危篤状態となった小児患者は5.9%で、重症化率は成人患者の18.5%と比べて低い。
ただ、幼児、とくに乳児の重症化率は比較的高い。1歳未満の患者が重症または危篤状態となる割合は合計10.6%。1~5歳は7.3%で、6~10歳、11~15歳、16歳以上はそれぞれ4.2%、4.1%、3.0%だった。
学校や家庭で集団感染を起こす可能性も
その他の疾病を持つ小児は、より重症化しやすい。前出の武漢小児病院などの研究によれば、3人の小児患者が武漢小児病院の集中治療室で治療を受けた。その3人は新型コロナウイルス肺炎以外に、それぞれ水腎症(訳注:尿が腎臓にたまってはれる病気)、白血病(訳注:血液中の白血球が異常に増加する病気)、腸重積症(訳注:腸管が閉塞され血行が妨げられる病気)を患っていた。
腸重積症を患っていた生後10カ月の小児患者は、入院から4週間後に死亡した。先天性疾患などの複合的な要素が、小児患者の病状悪化を引き起こすのだ。
同研究はさらに、小児が社区(訳注:団地のようなコミュニティー)の中で感染を広げる重大な原因であるかもしれないと警告を発している。現有のデータによれば、小児は伝染性の強い上気道感染症になることが多い。また、診断後の数週間以内に、一部の小児の糞便が核酸検査で陽性になっている。
これは、ウイルスが消化器系で複製できることを示す。乳児や小児の一部がまだトイレトレーニングを受けていないことや、自らを守ろうとする意識が低いこと、鼻汁や糞便などさまざまな要素を考慮すると、幼稚園や学校、家庭内で集団感染を引き起こす可能性がある。
(財新記者:曾毓坤、黄蕙昭)
※原文は3月20日の現地時間13:11配信
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